埼玉産業人クラブ・人材開発部会（荒川和夫会長＝埼玉県カウンセラー協会会長）は7月16日、埼玉大学の上井喜彦学長を招いて部会を開きました。上井学長は労使関係論や労働経済論が専門で、「中小企業の人材戦略」をテーマに講演。「大企業の人材育成法を取り入れるより、中小企業の成功事例から学ぶことが大切」と強調しました。

　講演では各地の中小企業が取り組む人材戦略を取り上げ、「オンリーワンを目指す企業にとっては、そのコアコンピタンスを担う人材育成が必要」と指摘。参加者から出された人材不足に悩みについて、上井学長は「採用で満たすのではなく、育成で満たすことも対応策になる」とアドバイスしました

　講演後の第2部「上井学長を囲む懇談会」では、多くの参加者が発言、人材育成や産学連携などの話題で盛り上がりました。上井学長は企業との結びつきを深めるため、同大学地域共同研究センターの機能を強化していることなどを紹介。最後に住田正利埼玉産業人クラブ会長（住田光学ガラス社長）は「学生の就職活動では、大学側がより中小企業の良さを発信してほしい」と締めくくりました。