埼玉ビジネス研究会(小原敏治会長=小原歯車工業社長)は5月26日、さいたま市浦和区の日刊工業新聞社さいたま総局で、04年度第1回研究会を開きました。
今年度のビジネス研は、若手経営者による勉強の場としての位置づけを改めて明確にし、メンバーも登録制で"新生・ビジネス研"としてスタート。経験豊富な地元経営者に話を聞こうと「オヤジから学ぶ」シリーズを企画しました。第1回は埼玉産業人クラブ会長である住田正利
住田光学ガラス社長を講師に迎え、経営経験、具体的なノウハウやエピソードなどを本音で大いに語っていただきました。
|
大いに語る住田社長
|
講演で住田社長は、まず「会社経営は軸がブレないことが一番大事だ。当社は他社がやらないことをやるのが方針。何にでも挑戦すること、これだけは守っている」と強調。また、そうした社長としての考え方、企業理念などを徹底する上で「マスコットが大変よい」と自身の経験を紹介しました。
住田社長は後継者問題にも触れ、「入社当時、会社を継ごうなんて思わなかった。事業が面白かっただけ。息子にも継げとは言わない。仕事にのめり込まないとこの時代は難しい。事業を選ぶことが重要であって、ただ会社を継ぐのは違う」との考えを示しました。さらに「選んだからには、業界の動向がどうであれ、絶対成功させないといけない。それには働く環境が大切」と、物的な環境だけでなく、人間関係や社内コミュニケーションなどの重要性を指摘しました。
一方、「取引するかしないかは友達になれそうかどうか」と、独自のフレンドビジネス≠提唱。「良い仕事するには良い人と付き合わないとダメ。難しい場面もあったがそれで通してきた」などと持論を展開しました。このほか、社員の給与に関して「賞与でメリハリをつけている。もうかった時は思い切って出す」など、これまでの経営者としての実践してきた様々な経験を率直に語っていただきました。
講演では画期的な開発を続ける住田光学ガラスの強さの一端が垣間見えた格好で、住田社長の熱弁を受けて、出席者全員が自己紹介を兼ねて疑問、質問などぶつけ、熱心に討論しました。
「オヤジである社長と(経営方針などをめぐって)ぶつかっているがどうすればよいか」、「経営理念や方針を徹底するうえで、どんなマスコットがいいのか」、「どうやって海外の賞を受賞できたのか」など率直な疑問も出され、活発な意見交換がなされました。
このあと、場所を変えて、参加したメンバー有志で住田社長を囲み、大いに懇談しました。
なお、次回の例会は7月に開く予定です。