埼玉産業人クラブ・埼玉ビジネス研究会(小原敏治会長=小原歯車工業社長)は3月17日、例会を日刊工業新聞社さいたま総局(さいたま市浦和区)の会議室で開きました。監査法人トーマツのパートナーで公認会計士の原口博氏が、「ピンチをチャンスに変える経営力〜監査法人から見た中小企業経営の今後〜」をテーマに講演。企業のガバナンス(内部統制)や会計制度の現状、不況を乗り切る経営手法を紹介しました。
原口氏は会社法改正によるガバナンスの重要性や新しい会計基準の導入による影響など、経営に関する制度の動向を説明。中小企業のほとんどが厳しい経営環境に直面する中で、「財務は一定の厚みが必要」と指摘しました。一方で中小企業は、大企業に比べて経営に柔軟性を持たせられることを強みとして強調しました。
講演では事業承継も話題となり、原口氏は後継者にスムーズに引き継ぐ社内の番頭役が少なくなったことなどを例にあげながら、「従業員を巻き込みながら事業承継するのがポイント」とアドバイスしました。参加者は経営力強化に向けて、経理や減価償却などに関して活発に議論を交わし、研究会の08年度最後の活動を締めくくりました。
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