埼玉産業人クラブ(増田文治会長=マスダック社長)は2月13日、さいたま市浦和区内のホテルで「2018年新春経済講演会&賀詞交歓会」を開き、約140人が集った。
「日本資本主義の父」渋沢栄一の子孫であるコモンズ投信(東京都千代田区)の渋澤健会長が「持続可能で格差を生まない資本主義とは」、井戸掘り事業の日さく(さいたま市大宮区)の若林直樹社長が「一滴でも多くの水を、一人でも多くの人へ…100年の軌跡」と題して講演した。
渋澤会長は、栄一が唱えた「論語と算盤(そろばん)」について「正しい道理の富でなければ、富は永続させられないと説いた」とし、一見かけ離れた両者を一致させる努力が経営者に大切だと訴えた。
さらに「我々は微力かもしれないが、決して無力ではない」という社会起業家の言葉を引き合いに、「社会起業はまさに資本主義の原点。『共感・共助・共創』によって社会的課題を解決するための事を起こすことができる」と述べた。
若林社長は日本の近代化とともにあった自社の歴史を紹介し、「当社は国内で年100本程度の井戸を掘っており、海外では水不足解消のためにODA(政府開発援助)案件などを手がけている」と近況を報告。さらに「民間からの受注を増やすなど、社会に価値をもたらす企業として歩んでいきたい」と強調した。
賀詞交歓会では、来賓の上田清司埼玉県知事、清水勇人さいたま市長、後藤収関東経済産業局長、浅野僚也関東財務局長らがあいさつ。埼玉産業人クラブ副会長である日本伸管(埼玉県新座市)の細沼哲夫会長が第35回優秀経営者顕彰の「優秀創業者賞」を受賞すし、同幹事の東洋パーツ(同長瀞町)の小菅一憲会長が米寿を迎え自伝を発刊したことが紹介されると会場は大きな拍手に沸いた。
新春経済講演会で熱弁を振るう渋澤健氏 |
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