埼玉産業人クラブ(増田文治会長=マスダック社長)は2月13日、ロイヤルパインズホテル浦和(さいたま市浦和区)で「2019年新春経済講演会&賀詞交歓会」を開き、約150人が集った。冒頭、1月に逝去した、ピーター・ドラッカー研究の第一人者、上田惇生参与(ものつくり大学名誉教授)に黙とうをささげた。
講演会では、埼玉大学の山口宏樹学長と、30弱の農家がメンバーの関東地区昔がえりの会(埼玉県上里町)の小暮郁夫社長がそれぞれ「地域活性化へのシナリオ」を語った。
山口学長は大学創立70周年を機に、時間のつながりの中で地域・世界とつながり「多様な人がつながることが重要」と強調。「人工知能(AI)が普及しても、データから価値を見いだし役立つ情報を作り出すのは人間」と述べた。専門の橋梁(きょうりょう)工学にも触れ「柔軟性があり、自然災害などにも強いコミュニティーをつくることが大切だ」と訴えた。
小暮社長は国産タマネギ6次産業化計画と、そのための集出荷・乾燥・選果・低温貯蔵施設の建設を紹介。「技を持つ匠でなくても収穫できるように機械化、スマート農業を進めている。農家出身でもない若者を呼び込むことが地域の活力につながる」と、受け入れの仕組みを説明。地域ならではの「分業と協業で会社を発展させたい」と夢を語った。
賀詞交歓会では、来賓の上田清司埼玉県知事、清水勇人さいたま市長、角野然生関東経済産業局長、田中琢二関東財務局長らがあいさつ。産業人クラブの長谷川勉副会長(長谷川鉄工所社長)が乾杯の音頭を取り、小原敏治同副会長(小原歯車工業社長)が中締めを行った。
|