埼玉産業人クラブ・ＮＩＴＥＣ埼玉産学交流会（杉本賢次会長＝丸一ゴム製作所社長）は４月２１、２２の両日、福島県会津若松市内で「研修・懇親会」を行った。会員の経営者や日本工業大学の関係者ら８人が参加した。

　 創業８０年の歴史を持つ椀メーカー、三義（さんよし）漆器店（曽根佳弘社長）を視察。会津塗りの技法はそのままに電子レンジ、食器洗い乾燥機に対応して話題となった漆器の開発について説明を受けた。

　現場では、伝統工芸士である曽根賢治会長から「職人になるには住み込みから最低５年が必要。なり手は少ないが、伝統の技を継承しつつ新分野に挑戦していきたい」との抱負を聞いた。同社は陶器に見える塗装法やスタイリッシュな海外向け弁当箱など、時代に沿ったモノづくりに定評がある。それだけに参加者からは「売り方次第では海外でもっと評価される」、「継承と進化の融合は企業共通のテーマだ」といった意見が飛び交った。

　 懇親会は登録有形文化財の老舗旅館「向瀧」で行われ、郷土料理に舌鼓を打った。鶴ヶ城や飯盛山などの名所も巡り、地域おこしに懸命な観光産業の底力を目の当たりにした。