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2004年8月[Sanada発 現場から]


埼玉産業人クラブの皆様、愛知淑徳大学の真田で御座います。

 この6月には皆様方と講演会、そして懇親会でお会いし、とてもよい勉強をさせて戴きました。やはり、現場で「リスクを取りながら、リターンを極大化する」ことに精力を注いでいらっしゃる皆様方のお言葉には、その一語一語に「迫力」と「真実」を感じました。 そして私もそうした現場感覚をきちんと持ちながら、少しでも皆様方のお役に立つ活動をしていかなければならないと決意も新たに致したところで御座います。

 そこで、今月より毎月、私が見てきた現場、体験した現場の様子をトピックスの形ご報告をさせて戴きたいと思います。短いコラムではありますが、国内各地の様子や世界、特に皆様方とは直接ご縁が無いかもしれない国際金融市場での動きなどを簡潔にレポートしたいと思っております。 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 さて、初回である今回は国際金融情勢についてのレポートからまずスタート致します。
私は米国経済の回復が本物かどうかまだまだ疑問視しています。その理由は、 「あの大胆でものごとをすぱっと断じて行く傾向が強い、米国FRBのグリーンスパン議長が米国金利政策に慎重で、様子を見ながら金利引き上げをトライしているから。」 であり、いつも思い切った金融政策運営を図るグリーンスパン議長も米国景気見通しを読みきれていないと私は感じているからであります。そして、こうした状況下、 「8月6日に発表された米国の雇用統計の結果は、ここ数ヶ月間高まっていた米国景気の持続的回復への期待を一気に冷ますものであった。実際にNYダウは1.5%安で年初来安値まで下がり、米国の10年もの国債は1.8%の利回り低下となっている。」 との見方が国際金融市場から出てきています。また、こうした見方が今後本格的に拡散していくとなると、 「好調な米国経済によって日本を含む東アジア経済の好調というシナリオが崩れる。そして好調を続ける中国本土経済への悪影響も出、更に東アジア経済全体の景気拡大速度鈍化が見られるかもしれない。」 との懸念もなされ、米国経済見通しを一層織り込みながら、東アジア経済見通しを行わなければならなくなると見られています。


 更に、米国では11月の大統領選挙を睨み、ケリー陣営がこの雇用統計結果を引用し、ブッシュ大統領批判への攻勢を強めていることから、米国政局動向にも影響がでそうであります。 ところで、ここで一言、皆様に是非、お話申し上げたいことが御座います。それは、
「国際金融市場の判断はあくまでも相対評価であり、またこれを利用してコメントを適宜変えていく傾向がある。時として、そのコメントは自らに有利なコメントへと置き換えられこともある。だからこそ、国際金融市場でのコメントは誰がどのような背景を持って発言しているのかを考えた上で読みこなしていかなければならない。」
いうことであります。


 皆様良くご存知のいわゆる巨額の資金を自らの判断で動かすことが出来る国際金融資本のプレーヤーたちは、その資金力を背景に自らのコメントに基づきマーケットトレンドをある程度操作することも可能で、その動きを見たマーケットの一般参加者は、コメント通りに市場が動いたと判断しこれを後追い、更にコメント通りの動きを加速化するということもあり得るのです。これを人は「市場主義」と言いますが、長年、国際金融市場に身を置いてきた私にとっては、こうした市場主義は資金力という力にものを言わせて自らの利益しか考えない「原資資本主義」に過ぎないと感じています。

 そして、これからの世界経済、埼玉産業人クラブの皆様方が活動されている、
「ものづくりとその販売・サービスをベースとする実体経済に基づいた、真のディファクト・スタンダードに導かれる国際市場の論理」 で運営されるべきであると私は考えています。


 皆様はどのようにお考えになられますか?



真田先生のプロフィール

真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京 三菱銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ド レスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。

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