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2018年11月[Sanada発 現場から]


中国本土の発展と米中関係


今月は、発展する中国本土に見られる最近の動きと、その中国本土を受けて立つ米国と中国本土の関係について、私の視点からコメントさせて戴きたいと思います。

[発展する中国本土]
 私が見るところ、最近の中国本土の国力増強は、その質、スピード共に目を見張るものがあり、国際社会に於ける覇権国家としての地位を着々と固めてきているように見られます。
 そして、
「一帯一路構想とAIIB運営と言うセット商品」
を背景に、しっかりと、
「ユーラシア大陸に於ける影響力」
を拡大しているようにも見られます
 更に、ユーラシア大陸のみならず、
「アフリカ、中近東地域」
への影響力拡大も図りつつあり、
「現行の覇権国家・米国」
との対立軸構築にも注力しているように見られます。
 こうした、中国本土の拡大は、明らかに、
「米国や日本の脅威」
になっていますし、
「ロシア」
も中国本土の拡大には注意を払っていると私は見ています。
 また、こうした過程に於いて、中国本土は、先進国を対立軸として意識する一方、発展途上国を自陣営に取り込むべく、先進国に対する姿勢とは明らかに異なる姿勢を示して発展途上国に接していると見られます。
 即ち、発展途上国に対しては、
「中国本土も発展途上国であり、貴国と協調し、共に発展していこうではないか!」
と言わんばかりの外交姿勢で臨み、更にここにきて、中国本土自身が経済発展すると、
「積極的な経済外交を展開」
し、発展途上国を上手に取り込もうとしていると見られます。

 ところで、発展途上国同士の連携を、
「南南協力」
と言います。
 南南協力は、
「途上国の創造性を高めることにより、途上国が自立して開発問題に対する解決策を見つけられるようになる。」
とされ、
☆知識や経験、技術などを共有することで途上国間での自助努力が生まれる。
☆開発問題を特定・分析する能力を高め、解決のための戦略作りに取り組む。
☆援助資源の運用の有効性を改善することで、国際開発協力の質と量を高める。
☆開発需要に沿った技術の適応・吸収をさらに効率よく行うため、現存する技術能力を高める。
☆途上国間でのコミュニケーション促進により知識と経験を共有し、途上国間で共通する開発問題への新しい解決策を見つけられるようになる。
☆災害などの危機の影響を受けやすい後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国の問題と需要を把握し、対策をたてる。
☆途上国がさらなる国際経済活動と国際開発に取り組む。
などを前提とし、
「南南協力には、援助資源の拡大や、地域協力の活性化、途上国のオーナーシップの増大、また歴史的・文化的背景や自然環境・ 経済事情の類似した国同士の協力から得られる効率性の高さ、途上国の能力開発への貢献、持続的開発への貢献など、様々なメリットがある。」
とされています。
 そして、中国本土では、途上国開発問題に関する専門家が生まれ、知識や経験および開発のための政策のノウハウが蓄積され、他の途上国開発に適した見本を持ち、こうした「南-=中国本土」が得たイノベーション、知識、開発問題への解決策を以って、発展途上国の更なる開発へと繋げており、こうした勢いを止める者は、中国本土自身が崩壊でもしない限りは、いないとも私の目には映ります。
 そして、習近平国家主席の自信もこうしたことに裏打ちされているようにも思います。

[米中関係]
 それでは、こうした発展著しい中国本土を受けて立つ米国は如何でありましょうか?
 去る九月の国連総会機関の際に発せられたトランプ大統領の、
「米中はもう友達ではないかもしれない。」
という発言を、私は米国の本音と見ています。
 即ち、米国に対して、
「覇権争い」
を公然と挑み、
「人民元の基軸通貨化を図る。」
「宇宙ステーションの建設を図り、制宙権争いに挑む。」
といった姿勢を鮮明にしてきつつある中国本土に対して、
「基軸通貨・米ドル」
の健全なうちに、そして、宇宙軍を創設してでも、米国が相対的に有利な地位をしっかりと保っている、今のうちに、
「中国本土に対して圧力をかけ、中国本土を屈服させる。」
といった意欲を示していると考えています。
 そして、米国はこの中国本土とイランを強く意識し、外交展開を行っているため、例えば、北朝鮮問題などに関しては、総じて問題無ければ、
「一旦、和睦」
という状況を作る可能性はあると私は考えています。
一方、今のところ、こうした米国に対して対決姿勢を示す中国本土は、基軸通貨・米ドルを持つ米国に対して強いダメージを与えることは難しいであろうと私は見ています。
 従って、中国本土は一旦、休戦に持ち込むため、早ければ年内にも落とし所を見つけに来ると思います。
 しかし、米中の覇権争いを巡る戦いは、その強弱の差ことあれ、暫く続くものと見ておく必要もあると思います。
国際情勢は実に不確定です。

 引き続き、米中関係を大いに注目したいと思います。

以上、少しでも、お役に立てば、幸いです。

引き続き宜しくお願い申し上げます。

以上

 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光
 


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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