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2006年3月[Sanada発 現場から]


「日韓ビジネス連携の可能性-韓国出張報告-」
[日韓ビジネス連携拡大]
 今月も先月に続いて韓国とのビジネス連携についてご報告申し上げたいと思います。
埼玉・東京・神奈川の広域多摩地域では、皆様方よくご存知の通り、地域活性化に向けた様々なビジネス連携が見られ、産学官連携が推進されていますが、こうした動きを手本に韓国でも産学官連携を拡大しようとする方針が中央政府の下で決定され、多摩地域のシステムを韓国に導入されるなど、日韓ビジネス連携の可能性が更に拡大しています。
こうした状況下、先般、韓国を訪問して参りましたので、ご報告を申し上げたいと思います。
ご参考になれば、幸いです。

[韓国訪問記]
 先日韓国の首都・ソウルを訪問し、久し振りに韓国貿易協会の理事にお会いし、また同協会が運営するIT教育センターを訪問しました。
「21世紀の変化と発展、その中心にIT Koreaが、IT Koreaの中心にIT Masterがある。
IT Koreaの人材が世界にいく」
とのキャッチフレーズの下、
「世界が認定する核心的人材を養成する。」
ことを目的とし、物流・観光・人的資源の輸出という新戦略の下、「IT Master課程」が2001年1月に新たに設置され、IT関連授業と外国語(英語or日本語)の授業を年間2,200時間も提供しており、これまでの5年間で、延べ824人が修了、卒業生の卒業時の平均年齢は27,28歳、1年間の授業の後、韓国と海外企業に就職しており、このうち444人が海外、更に439人が日本、5人が米国の企業で働いています。
 また男女比率は大体、男性:女性=8:2、海外企業に就職した卒業生のうち、これまで帰国した者は僅か10人前後で、海外でしっかりと働き続けているとのこと。
 授業は厳しく朝九時から夜九時まで、帰宅するのは時間ももったいなく大変なのでそのままアカデミーの休憩室に泊まる学生もたくさんいる、受講生は四年制大学卒業生で募集は1月、7月の年2回、競争倍率は約3倍となっている、また1人当たりの年間教育費は1,400万ウォンなるも、学生の個人負担は400万ウォン(その他は貿易協会とケースによっては韓国政府・労働部等が負担)となっています。
 また教育過程は、ソウル大学と産学協同プログラムで作られたWeb開発者過程とEmbedded開発者過程(1コース90〜120人、年間180〜240人に対して教育する)に分かれています。
 そして、Native Speakerの教師による語学教育や専門家教師陣の細かいIT専門指導による授業を見学し、この卒業生の質の高さを改めて感じると共に、最近では日本の企業が年に二回、このIT教育センターで会社説明会を開催し、人材の採用を積極的に行っていると聞きました。そしてなんと、ここでは売り手市場になっており、日本の大手著名企業が採用を希望しても韓国人学生が他の日本企業を選択するケースもたくさんあるそうです。
 いずれにしても韓国でも、こうした優れた人材育成センターがあることを改めて確認しました。
 そして、またこうした優秀な韓国人人材を一旦、日本の人材派遣関連企業が採用し、その人材を更に派遣技術者を必要とする日本企業に派遣するといった動きも見られるなど、韓国人人材をビジネスの中で活用するという動きが日本でも出てきており、日韓の新しいビジネス・アライアンスのスタイルになるかもしれないと感じました。
 尚、韓国国内での社会現象の中で、今回もやはり色々な方々から出たコメントとしては、
韓国の少子高齢化は日本以上の速度で進んでいる。
特に若い女性の結婚願望は弱まっており、結婚しない女性陣が増加している。
そうした中、女性の社会進出は際立ったものがあり、特に昔は三士(師)のビジネスと言われた弁護士、会計士、医師の分野でも女性の進出は著しく、また銀行でもRetail部門はむしろ女性の特性が行かせる場との認識から、Retail部門中心の支店の支店長には多くの女性が登用されるようになっている。
また、弁護士や会計士などは資格を取った者が急増し、職場機会がないばかりか、実践研修を提供する企業や機会なども少なく、その資格を生かせる場が限定的となっている。そこで、そうした資格保有者ながら職場機会のない者達は民間企業への就職を希望するが民間企業は資格保有者の会社に対する忠誠心は必ずしも高くない(途中で辞めてしまう可能性が高い)と見て、採用を控え、高資格保有者の失業も増えている。
更には、大卒若年層の失業問題が顕著となる一方、中堅の特別なスキルを持った人間が不足し、人材マーケットでは色々な意味でミスマッチングが生じている。
といったコメントを耳にしました。
 今回も短い期間でありましたが、なかなか面白い発見をして参りました。

来月もどうぞよろしくお願い申し上げます。
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京 三菱銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ド レスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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