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2010年3月[Sanada発 現場から]


「世界経済の現状と日本企業の進むべき道」

[世界の貿易動向について]
 私は、中国本土は、これまでの軍事力、政治・外交力に加えて、13億4,000万人の人口を背景に、潜在的な労働者の多さ、潜在的な消費者の多さを基にして、経済力を更に拡大し、より一層、世界に強い影響力を及ぼすことになる、少なくとも大きな流れとしては、そうしたトレンドにあると私は見ています。

 さて、こうした中、国際機関である世界貿易機関(WTO)が発表した最新の世界貿易統計では、
「2010年の世界全体での貿易量の伸びは前年対比9.5%になる。」
と予想しています。

 2008年9月に発生したリーマン・ショックを背景として、米国経済が揺らぎ、更に基軸通貨・米ドル体制が弱まりつつある中、2009年は世界的な景気悪化の状況に陥り、その影響で世界の総貿易量は12.2%減少、第2次世界大戦後で最大の減少幅を記録しました。

  しかし、本年の貿易量の伸びは、先進国で7.5%、発展途上国で11%と予測されており、全体でも9.5%増となると予想されているのであります。
こうした一方、

(1)原油価格の上昇
(2)主要通貨の相場変動
(3)金融市場の混乱

などのリスク要因が未だに市場には残っており、こうした状況が顕在化すると、こうした予想が崩れる可能性もあることを示唆しています。

 尚、2009年の輸出額は前年対比23%減の12兆1,470億米ドル、また国別でこれを見ると、中国本土が1兆2,020億米ドルで1位、ドイツは1兆1,210億米ドルで中国本土に抜かれて二位に後退、3位は米国、そして日本は4位となっていると報告されています。

  こうしたデータを見ても、13億4,000万人の潜在的な労働力と消費力を持ちつつ、世界の工場として発展し、米国や日本などの先進国に対してのみならず、東南アジアや南アジア、中近東、そしてアフリカに対しても輸出を拡大しつつある中国本土の輸出拡大の力とスピードは、今のところ、他の国々の追随を許さないところであると見ておきたいと思います。

 

[韓国の電気自動車について]

 一方、その中国本土とわが日本の間にあって、頑張っている国・韓国、
私はその韓国の韓李明博政権は米国との連携を改めて強め、例えば、韓国政府が産官学金で展開する韓国企業の原子力発電ビジネスの海外展開に於いて、米国との連携も巧みに利用していると見ています。

 しかしまた、こうした一方で、韓国企業が頼みとする市場を提供してくれる場としての中国本土との関係も重要視しているとも見ています。

 そしたまた、そうした米中が共に一気に展開していこうとしていると思われる、自動車業界のスタンダードの電気自動車への転換という状況を睨み、韓国では、電気自動車の中国本土向け販売を拡大していこうとの思惑があるものと私は考えています。

 こうした状況下、韓国の国内マスコミによると、韓国製の電気自動車が中国本土市場に本格進出する模様であります。

 以下がその記事の概要であります。

「韓国の電気自動車専門メーカーであるCT&Tは、北京汽車グループ、韓国のSKエナジーと、電気自動車生産・販売を行う、「北京CT&T汽車有限公司」設立に向けた了解覚書(MOU)の締結式を中国本土・北京で行った。
  北京汽車グループは、現代自動車と合弁で北京現代汽車を運営する中国本土国営の自動車メーカーである。
  北京CT&T汽車有限公司は、今年中に1,000億ウォンを投じ、北京に年間生産台数5万台規模の電気自動車生産工場を建設することで合意した。
  合弁会社の出資比率は、北京汽車グループが50%、CT&Tが25%、SKエナジーが25%となっており、SKエナジーは電気自動車に必要なリチウムイオン電池を供給することとなっている。」

とのことであります。

 私は、
「米国は、その技術的背景に疑問はあっても、政策的には従来の自動車産業を捨てて一気に電気自動車に転換するように世界展開を進める。」

とリーマン・ショック以降申し上げてきましたが、実際に世界の自動車メーカーが徐々にではあるものの、電気自動車へのシフトを加速化する中、韓国勢も本格的な参戦をはじめ、特に市場として期待される中国本土へいち早く乗り込み始めようとしていると見ています。

 今後の動向を引き続き、大いに注目したいと思います。

 

 こうした中国本土や韓国の動きも意識しながら、また日本のことも改めて考えてみたいと思います。


 次回号もまた、どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光

真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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