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2016年10月[Sanada発 現場から]


日本の国際貢献


はじめに

 私は常日頃から、
「日本世界にお役に立つ国となり、尊敬されながら、平和を維持する国になるべきである。」
と考えてあり、それを以って、
「積極的平和主義」
と呼んでいます。
 そこで、今回は日本国際貢献に関する私見を二つの視点からご紹介させて戴きます。
 お読みください。

B to G ビジネス

 ビジネスを追い求める際の基本姿勢の一つに、
「需要の存在の追求」
があり、また、
「その需要と供給の関係によって価格も変動する。」
ことを知らなくてはならないと思います。
 こうしたことを前提として、私たちは先ずはどこにその需要が存在しているかを探しますが、一般的に言えば、消費財が一般庶民に行き渡っており、社会インフラも一般的には整備されている「先進国」よりは、消費財もまだまだ庶民に行き渡っておらず、社会インフラも整っていない新興国の方が、
「潜在的需要は高い。」
と言えましよう。
 しかし、ここでの一つの大きな問題は、需要を持っている人に、その需要をまかなえるだけの支払い能力があるかどうかと言うことになります。
 例えば、新興国に高速鉄道建設の意欲があっても、その支払い能力がなければ、民間企業のその高速鉄道建設ビジネスに対するビジネス・チャンスを求める食指は動きません。

 ところで、ビジネスの種類を分類する際に、B to B、即ち、企業間の商取引、或いは、企業が企業向けに行う事業と言う分類があり、これに対して、企業と一般消費者の商取引、または、企業が一般消費者向けに行う事業のことを「B to C」(Business to Consumer、B2C)と言うことは皆様ご存知かと思いますが、例えば、アフリカの潜在的な経済発展などを意識して、最近では、企業と公的機関の商取引、または、企業が公的機関向けに行う事業のことを指す「B to G」(Business to Government、B2G)と言う分類が注目され始めています。
 民間企業同士では、支払い能力などを中心にして、なかなかビジネスリスクを取りきれないことを前提に、
「潜在的な需要のある国」
そのものをビジネスのカウンターパートに置きながら、ビジネスを切り開いて行こうとする際にこのB to Gビジネスは効果的であると思います。
 そして、私は日本と世界の経済的繁栄、共栄を求める為の一つのやり方として、このB to Cビジネスは有効であり、
「技術力を持つ日本の中小企業は、技術導入の視点からすれば、海外企業に強い影響力を持つ可能性を秘めている。」
と私は考えており、
「新興国の輸入代替化を進める上からも日本の技術力を持つ中小企業の力を必要としている。」
と感じていることから、例えば、
 「日本の技術力を持つ中小企業の皆様が先ずは、これら潜在的な需要のある新興国たちが必要とする、雇用創造力がある技術、ノウハウとこれまでの日本企業の経験を移転、その際にきちんとその新興国からテクニカルトランスファーフィーを戴き、共栄を目指すことが出来ればと考えており、その為にも、先ずは新興国にある企業の精査をし、その新興国の企業に対して、日本の国際協力銀行からツーステップローンのような形で資金を供与、その際、同時にその新興国の金融機関も育成しつつ、新興国政府が望み、新興国の発展に資する産業全体を育て、その新興国企業に対して、日本の経験と技術力を持つ中小企業から技術移転をしてもらい、新興国企業の繁栄と共に新興国の外貨獲得と輸入代替化を推進すると言うプロセスが必要ではないか。」
と考えています。
 欧米や中国本土のようにマス・ビジネスだけで新興国に関与するだけでなく、日本らしい新興国に対する貢献と日本のメリットも求めて、引き続き、日本型B to Gビジネスモデナ構築の為に努力したいと思います。

永世中立国の選択

 私は、
「日本は国際社会との協調が必要な国である。」
ということを強く感じている者の一人であります。
 しかし、その一方で、国際社会との軋轢が多い、そして、大きいのであれば、国際社会とは、一線を画し、
「永世中立国」
的な立場で、国際社会での立ち位置を日本が極められるのであれば、
「それもまた良し。」
とも考えております。
しかし、現実の日本の状況を考えると、
「国民皆が生き抜いていく為に最低限必要なもの」
であるところの、
「水」
「食糧」
「エネルギー」
「原材料」
のうち、
「水以外」
は基本的には、海外に依存せざるを得ぬ状況にあり、よほど、上手に動かないと、日本が、
「永世中立国」
的な立ち位置を確保することは、容易ではないと考えています。
また、こうしたことを具現化する為には、
「国防の為の軍事力」
の維持は不可欠であり、この点に関しては、
「国民的な議論」
の必要性があるとも考えています。
このようなことから考えますと、理屈から言えば、
「永世中立国」
的な立場を日本が確保することは可能かもしれませんが、
「決して容易ではない。」
とはっきりと認識しています。
 しかし、それでも敢えて、
「日本は国際社会の中で永世中立国的な立場を極めるように努力してみてはどうか?」
と私は考えています。
 そして、例えば、
「食糧の世界では、品種改良に伴う大量生産技術の革新、養殖技術の拡大による生産拡大の可能性が高まり、また、冷凍、冷蔵、並びに解凍技術の革新に伴う保存可能性の拡大も具現化しつつあります。
また、メタンハイドレートの実用に向けた本格的な動きを拡大すれば、或いは、火山列島、海洋国家・日本の特徴を生かした地熱発電、潮流発電を合わせ技としたエネルギー改革を進めて行けば、化石エネルギーの輸入に頼らぬ国家の樹立は近づいてくるかもしれません。
 更に、木材を基とするCNF、ナノ樹脂の商用化や石灰を利用した新素材の開発は、原材料の輸入削減に大いに効果を上げるものと期待されます。」
とも考えており、期待感を以って見ています。
従って、日本政府が、こうした改革を意識した、
「国家運営の革命」
を起こしていけば、
「永世中立国」
的な立ち位置を樹立していくことが徐々に可能となるかもしれません。
 そして、日本の舵取りをそのような形で進めていくことも一つの手段ではないかと、私は考えています。

 時は今まさに、日本の新たな進路を決めていくところに差し掛かっていると感じます。
 皆様は如何、お考えになられますか?

引き続き宜しくお願い申し上げます。


 
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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