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2017年3月[Sanada発 現場から]


トランプ大統領と世界、米国ビジネスの真の強さ


米国の動向と世界

現行の世界に於いては、世界一の大国である米国の大統領権限は極めて強く、その言動が世界に与える影響は極めて大きいと言えます。
従って、私たちは、自ずと、その米国大統領の言動には注意を払い、その行動を先読みする形で自らの戦略を立てていくこともしばしばあります。
然るに、本年一月から米国大統領に就任したトランプ大統領の言動は、破天荒であり、多くの人々にはその真意が読みにくく、
「先読み」
することが難しい、由々しき事態となっています。
こうした場合、私たちは、通常、その人、すなわちトランプ出す頭領の出自や生い立ち、これまでの成功、失敗体験などを背景にして、
「先読み」
の精度を上げていこうとするのでありますが、一方で、
「トランプは、人々がそうした分析をすることを読んだ上で、敢えて奇をてらったような言動をわざとしてくる。」
とも見られており、トランプ大統領は、とにかく、人に自らを読まれるのが嫌いで、逆手逆手の言動を繰り返すのではないかと見られています。
従って、例えば、日中関係に関係なく、日米の友好関係を演出しつつ、一方では米中の友好関係も演出し、米国としてのメリットを享受できるような立ち位置を築きつつもまた、そうした言動を突然覆す動きも示し、
「予測し難い」
姿勢をとり続けていくものと見られています。
また、トランプ大統領の祖父がドイツ系移民である、トランプ大統領は不動産事業経営の失敗もしている、若い頃は腕白だった、中国本土系銀行からの借金がある等々の情報にも、逆手を取る動きをとり続ける可能性もあり、油断なりません。
即ち、一般的には、
「ドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump、1946年6月14日生まれ)は、アメリカ合衆国の実業家、政治家。
第45代アメリカ合衆国大統領。
不動産会社トランプ・オーガナイゼーションの会長兼社長を務め、カジノ・ホテル運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツの設立者である。」
と言った基本情報がトランプ大統領に関して流れていますが、トランプ大統領の言動は良く分かりません。
そして、トランプ大統領を読もうとするその精度はなかなか高まらず、私たちは、なかなか自信が持てないといった状況が続いているのであります。
また、同様に訳のわからない言動をする世界のトップに中国本土の習近平国家主席がいます。
そうした米中の狭間にあって生きていく必要がある日本や韓国は決して楽ではありません。
こうした中、場合によっては、米中が大国同士、一旦手を組む可能性もあり、そうした意味でも、私たちは分からないなりに、トランプ大統領の言動を注目し、今後も慎重に対応しなくてはなりません。
そして、世界のビジネス界では、
「G2(米国・中国本土)の訳のわからぬ動きに頭を抱えている。」
との声も最近では耳にします。
 例えば、中国本土に次ぐ世界の成長センターとして、人口大国で潜在的な労働者の数、消費者の数の多いインドに期待するグローバル企業は多く、世界的な不況にもかかわらず高成長を続けているインドに向ける期待は大きいのですが、
「『トランプ政権の保護貿易主義』が変数として作用しており、米国以外の国に投資する計画を発表すると米国の怒りを買うのではないか?」
と言った懸念もあります。
また、米国のみならず中国本土政府の圧力もトランプ大統領登場と共に強まる中、海外市場戦略の修正を迫られて頭を抱えているところもあります。

あまり、米中の細かな動きに惑わされることなく、本質を見極めていくことを心がけるべきではありますが、世界は今、正に強者の論理、弱肉強食の世の中で生きていくことの悲哀が見られている、そうした時代に突入したのではないでしょうか?
引き続きフォローしていく必要があると思います。

米国のビジネス社会の強み

上述したように世界は混沌の中に入り込んでいるように映ります。
しかし、そうした中、米国には成長する力が潜んでいるように思われます。

普通、ビジネスの世界では、リサイクルに代表される資源の有効活用とともに、有休資産の有効活用も大きなチェックポイントの一つとなります。
その活用に向けたアイデアの具現化は、ビジネスチャンスの拡大にも繋がります。
そして、そうした、
*ビジネスチャンスの提供=機会の均等提供
*ビジネスアイデアの提示
*ベンチャー意識の強いビジネスマンとそれを支える社会的風土とシステム
などが相対的には整っている国が米国ではないかと私は思います。
そしてその米国には、ビジネスを支えるシーズとそれを必要とするニーズがまた程よく混在し、ており、この国の底力と言ったものを私は感じます。
こうした中での、決して、大きなお話ではありませんが、私が、最近、
「アメリカらしいビジネスモデルの一つだなあ。」
と思うものの一つに、
「ポップアップ レストラン 制度」
と言うものがあります。
ここで言う、
「ポップアップ=Pop Up」
とは、
「突然出現する」
ということを意味し、よって、ポップアップレストランとは、
「突然出現するレストラン」
となります。
どういう仕組みかと言えば、
「レストランやカフェの定休日に、その厨房と客席を第三者に貸し出す。
その第三者は、まだ、修行中である、雇われシェフではなく自らの料理を提供したいという思いが強い、まだ、自らのレストランを持つには資金不足であると言った様々な背景を持つ者たちであり、そうした第三者となるシェフが既にある店舗の休日にその店舗を借り、腕試しをしながら、自らの技術を上げ、有名になり、お金を稼いで開業資金作りをしていく為に有効に利用されている制度」
とも言えるものです。
米国らしい、おおらかなビジネスモデルの中で、
「未来に挑戦する権利が多くの挑戦者たち与えられる制度」
として、新参者も実力さえあれば、
「ビッグチャンス」
を獲得できる、しかし、実力がなければ淘汰される、淘汰されても、自らの実力が無いことが、本人に認識されれば、そこに理不尽な不満は発生しない、こうした仕組み作りが上手い米国はやはり、大した国だなあと私は感じます。
こうしたお話は、小さなお話かもしれませんが、米国社会の底辺にあるこうした「ビジネス風土」を日本ももっと真似ていくべきではないでしょうか。

 混沌とする世界の中で、私たちは地に足をつけ、粛々と頑張っていくべきかと思います。
頑張りましょう。

引き続き宜しくお願い申し上げます。

以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光
 


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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