企業にお伺いする際に、しばしば、
「経営改善」
に関する意見を求められることがあります。
日本政府・中小企業庁などでも、
「経営改善計画書」
の雛形などが示され、また、支援機関による経営改善計画作成の支援なども行われており、
「雇用機会を創造し、納税する」
という形で社会に貢献する、
「企業」
の経営支援、そしてその企業の経営の永続に向けた支援が展開されています。
ところで、経営改善の根本は、煎じつめて言えば、
「売上高の極大化」
and/or
「費用の極小化」
を促すための改善ということになりましょう。
そして、その為に、
「社内」と「社外」
の二つの局面に、
「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」
の縦糸を織り込みつつ、
「売上高の極大化and/or費用の極小化」
を具現化する計画を具体的に示し、その上で、その結果として得られるであろう、
「予想される経営指標、即ち、売上高、費用、そして利益の見通し」
を数値化された形で示し、その後はこれを実行、そして、一定の期間ごとに経過状況を検証して、文字通り、
「経営を改善すること」
が重要となります。
そして、経営改善計画は、こうした計画実行の基礎となる経営改善計画書の作成から普通は始まります。
その、経営改善計画とは大きくわけて2つの種類があります。
その二つとは、以下の通りです。
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前向き・長期の経営改善計画
経営戦略として積極的に経営環境の変化へ対応することが目的であり、経営改善計画書は、変化する経営環境へ対応し、更なる利益の増加や生産性の向上を図る為のものとなります。
一般にこうした経営改善計画は「事業計画書」ともよばれ、5年後・10年後を見据えて作成されます。
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緊急事態対応・短期の経営改善計画
資金繰りの悪化などから緊急に経営改善が必要になることへ対応することが目的であり、経営改善計画書は、決算で実質的に債務超過となり、借入金の返済が困難となったり、金融機関からの新規の借入が困難となるような場合に作成されるものとなります。
ただ、こちらの経営改善計画も短期に緊急事態を乗り越えた場合は前記の前向き・長期の経営計画へ向かわなければなりません。
次に、経営改善計画ではまず何よりも、経営課題に気づいた時点ですぐに作成することから始まります。
人の集団である企業には常に解決すべき課題が発生していますが、経営者が気づかないまま放置されていることがあります。
そして、放置期間が長くなると、経営の屋台骨を揺るがすような大問題になることもあります。
経営者が解決すべき経営課題があると気づいた時点で、解決すべき課題と改善策、改善プロセスをとりまとめたものが「経営改善計画書」となります。
本来であれば、経営課題に自ら気づき、積極的に経営環境の変化へ対応するため、経営改善計画書を作成すべきです。
尚、現実的には金融機関からの借り入れが困難になってから作成するというケースが多いようであり、これでは、本末転倒と思われ、自ら、治癒能力を持たない企業は早晩倒産すると言われてしまっても仕方がなく、金融機関からの催促ではなく、自らの意思で常に経営改善の意欲を持つことは大切となりましょう。
また、経営環境は日々変化しており、経営改善の必要性は常に意識しておかなくてはならないとも言えます。
経営環境は日々変化しています。それは必ずしも目に見えるものばかりではありません。
しかし、目に見えなくとも経営環境の変化が起きていることを知っておく必要があります。
最後に気をつけなくてはならないことは、
「成功法則は長続きしない」
ということを強く認識しておく必要があるということです。
人は成功体験を美化し、それを信じたがりますが、そうした気持ちがむしろ企業経営にとっては、命取りになる危険性もあるということを知らなくてはなりません。
従って、常に経営改善を意識しておかなくてはならないのであります。
ある時期にうまくいった営業方法や評判となった商品がいつまでも有効だということもありません。
経営改善計画書も、経営内容の善し悪しに関わらず、時代にあった経営方法が必要だから作成されるものであると認識していただきたいと思います。
私も、
「変化を当然かつ健全なものと捉え、変化を恐れず前向きに進化していくという意味での前向きな経営改善計画作り」
のお手伝いを今後もできればと思っております。
引き続き宜しくお願い申し上げます。 |