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2010年7月[Sanada発 現場から]


「人づくりをどうするか? / 世界銀行発表、GDPランキング」

今月は二部構成で、ご報告を致します。
先ず、少しウェットなテーマをご報告致します。

[人づくりをどうするか?]

 私も銀行員を辞め、大学教員となってから12年目となりました。
曲がりなりにも、人に対して何かを教えるという立場となって、私が常に貫いている姿勢というものは、
「何があっても一人で生きていけるような若人を育成していくこと。」
であり、また、そうした人間となる前提として、
「基本的には何をしてもよいが、少なくとも人を傷つけない、人に迷惑を掛けない。」
といった人類共通の最低限の倫理観を持った人間を育成していくことにあります。

  そして、簡単に言えば、
「強くて優しい人間」
を育成していくことにありますが、こうした人間となることは決して簡単ではありません。

 私自身がそうした人間になることがとても難しいことであることから考えても、これを人に教えていくということは更に難しく、大変なことであります。
しかし、こうした人間に私もなり、またこうした人間を育成していくために、私は敢えて、以下のような点をいつも意識して動いています。

 出来るか、出来ないかは別にして、意識をしているだけでも少しは違うのではないかという意味で以下のようなポイントを考えているのですが、これに更に、是非、皆様方の視点から必要なポイントを付け加えて戴ければ幸いで御座います。

 私がなることを目指す私自身、私が育成すること目指す人間像とは、
「強くて、優しい人間」
「志と気合を以って人生を生き抜く人間」
「鳥瞰図的、複眼的視点からものごとを分析し、時の流れを感じつつ、世の中を生きる人間」
「不退転の継続的努力を行うことが出来る人間」
「競争と協調が分かる、共生きの心が分かる人間」
となることを前提に、

*心身ともに健全、健康であること。
特に俗に言われるストレスに対して、心も体も適応できるようにすることが大切であり、毎日続けて、少しずつでも良いので、体力強化を図ると共に、人と接して会話のやり取りをするための想定問答を行うこと。

*優しい性格を持つこと。
先ず一旦は、素直に物事を受け止めること、その上で、自己を捨て、他者の為に行動することを前提とした思考回路形成の訓練をすること。

*忍耐強い思考力を持つこと。
一言で言えば考え抜くこと。出来る限り、論理的に考え抜いていくという訓練を常に続けること。
その上で、自らの言葉もアイデアでものごとの結論を導き出す訓練を行うこと。

*古きよきものを守りつつも、進取の精神を持ち続けること。
長い歴史のあるものには長く続く意味や理由がある、それを意識して古きよきものを守りつつ、しかし、常に変化を当然かつ健全なものと考えること。

*常にぶれない芯を持つこと。
自らのやりたいこと、志を明確にした上で、それを貫こうと不断の努力をすること。これも戦略性を以って毎日、少しずつ自分のやりたいことに向かって必要な努力を積み重ねていく必要があり、実行せねばならない。

*感性を大切にすること。
常に論理的に考えつつも、やはり人間しての感性を尊重する気持ちを忘れてはならない。

*慎重に考えた上で、大胆に決断、行動する実行力を持つこと、そして可能であれば、そうした実行力を基にして他者を力強くリードしていくこと。

といったことを私は意識しています。

 厳しい世の中が続きます。
もちろん弱者をいたわる心は必要ですが、皆が弱者となってしまうと日本という国は低迷してしまいます。

 なんしても、
「強くて優しい人間」
が集まる逞しく優しい国・日本を構築していきたいと私は考えています。

そしてまた、私はこうした中で、
「自分で考え、自分で行動する。
自らの論理思考を以って問題解決を図っていくこと。」
の大切さといったことを常に感じています。

 そうしたことを実現していくために、私自身は常に、
「考えることよりも先ず動く。」
もちろん、一定の論理展開は大切ですが、結果を恐れずに先ず動き、その上でまた、
「方向修正をしてまた動く。」
ことをモットーとしています。

 そして、その前提として、必ず、
(1)生きるべき目標をきちんと定めておく。
(2)中期目標を立て、これに焦点を充てる。
(3)人生目標を睨んだ中期目標達成に向けた問題点、現状をきちんと認識する。この際には、常に目標と現状の格差について、論理的にまた可能な限り、数値を以って、その格差を認識する。
(4)問題点、課題をしっかりと特定する。
(5)問題解決、課題克服に向けた戦略案を策定する。
(6)問題・課題の優先順位付け、更には問題解決に向けた戦略案の選択を行う。
(7)戦略案を実行する。

といったビジネスにも共通する論理的思考を行ったうえで、何よりも、
「先ずは行動する。」
ということを心掛けています。

 更にまた、課題、問題を見極めていくためには、
*原因となる可能性のあるものを全てチェックする。
*原因の仮説を立てる。
*客観的、論理的な分析を行う。
その上で、戦略案の策定に際しては、
*解決策となるであろう方策を全て書き出す。
*何が最適かを頭の中で考え、優先順位を決める。
*戦略案遂行に向けたより具体的なプランを立てる。
そして、具体策を立てるに際しては、
「想定したいくつかの戦略案の中で、相対比較に於いて、最も遂行し易く、かつ、最も効果の大きい具体策」
を立てる事が行動基本であります。

 また、こうした具体策を行動に移すに際しては、常に、
「自らの力で貫徹する。」
ことが基本ではありますが、状況や周囲の環境によっては、
「信頼できる助っ人に助けを請う。」
ことも否定してはいけないと考えています。

 このようにして、自らの論理思考によって問題解決を図り、更に前に向かって進むことを心掛けていきたいと思います。

 皆様方は如何、お考えになられますか?


[世界銀行発表、GDPランキング]

国際機関である世界銀行は2009年の世界経済規模ランキングを発表しました。

これによると、米国は圧倒的な一位、二位日本との差は大きく、逆にその日本は三位・中国本土との差が減り、2011年には順位逆転の可能性が高まってきています。

一方、アジアで比較的元気がよいといわれている韓国の名目国内総生産(GDP)は8,325億米ドルで、前年と同じ15位となっています。

韓国の名目GDP(米ドル換算)は、2003年に11位を記録しましたが、2004年に12位、2005年に13位、2006〜2007年に14位と年々ランクを下げ、2008年には15位に転落していいます。

 この韓国が2年連続で15位に留まったのは、経済成長率が0.2%と伸び悩んだことに加え、消費者物価上昇率も年2.8%で安定して推移したためだ。

 2009年に成長率が3.9%を記録し、通貨レアルの価値が32.7%も上昇したブラジルは、順位を前年の10位から8位に上げた。また、オーストラリアは成長率が1.3%に留まったものの、オーストラリア・ドルの価値が27.3%も上昇したため、順位を14位から13位に上げています。

また、7.4%の高成長を記録したインドも12位から11位へと上昇しています。

一方で、7.9%のマイナス成長となったロシアは8位から12位へと順位を下げています。

1〜5位は米国、日本、中国本土、ドイツ、フランスで、順位変動はありませんでした。

 こうしたことから見ても分かるように、やはり、先進国の伸びに相対的な勢いがない反面、新興国の経済規模は拡大しており、その順位の変動も見られてきていると見ておきたいと思います。

尚、GDP基準・経済規模ランキングトップ15は以下の通りです。

[2009年の名目GDP基準/世界国別ランキング]

出所:世界銀行

順位 国名 GDP規模(兆米ドル)
1 米国 14.256
2 日本 5.068
3 中国本土 4.908
4 ドイツ 3.352
5 フランス 2.675
6 イギリス 2.183
7 イタリア 2.118
8 ブラジル 1.574
9 スペイン 1.464
10 カナダ 1.336
11 インド 1.236
12 ロシア 1.229
13 オーストラリア 0.997
14 メキシコ 0.875
15 韓国 0.833

 尚、香港の経済雑誌の一つである亜州週刊は例年、アジアの銀行の経営動向を横並びして比較する計量データを発表しているが、今年もそうしたデータが示されています。

 これによると、ここでも中国本土の銀行が業績を拡大、充実しているようであります。

 同データの本の一部の抜粋ですが、以下、ご覧ください。

出所:亜州週刊2008年7月6日号  単位:特段の明示がないものは百万米ドル、%

[アジアの300大銀行国別分布状況]

国・地域 行数 資産総額(億米ドル) その比率 純利益(億米ドル)
日本 118 87,433.5 39.01 188.1
中国本土 49 84,874.1 37.87 782.2
台湾 29 8,759.1 3.91 17.5
インド 22 9,967.8 4.45  90.7
香港 17 10,656.3 4.75  113.5
マレーシア 16 3,920.9 1.75  33.2
タイ  13 2,636.7 1.18 26.7
韓国 12 8,923.7  3.98  38.9
インドネシア 10 1,597.2 0.71  27.7
フィリピン 879.4 0.39 9.1
シンガポール 4,390.0 1.96  40.6
マカオ  78.6 0.04 0.9
合計 300 224,117.2 100 1,369.2

日本系を除くトップ10バンク

銀行名 国家名 総資産 当期純利益
中国工商銀行 中国本土 1,725,130.0 36,984.0
中国建設銀行 中国本土 1,408,694.4 31,016.3
中国農業銀行 中国本土 1,300,258.8 26,588.8
中国銀行 中国本土 1,281,134.6 23.2567.5
香港上海銀行 香港(英国系) 556,628.6 7,491.3
交通銀行 中国本土 484,401.0 9,743.8
招商銀行 中国本土 302,711.2 5,908.6
State Bank of India インド 299,585.6 6,909.0
中信銀行 中国本土 259,115.3 3,256.2
上海浦東発展銀行 中国本土 237,538.1 4,909.4

 

 次回号もまた、どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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