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2012年1月[Sanada発 現場から]


謹賀新年

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、私は、今年は、

「混沌」

の年と見ています。

 そうした中で、例えば、混沌を象徴するかのように為替相場は予想以上の不規則な動きを続けています。

欧州の混乱が解決せぬまま、米国の混沌も深まっているように私には見えます。

こうした状況下、私が尊敬する為替のプロの方は以下のような冷静なるコメントを下さいました。

まずはこれを、参考となさってください。

 

「2011年は、米国の景気回復の遅れを下地としつつ、欧州の財政問題が深刻化し、結果として市場参加者のリスクテイク余力が低下したため円が最も買われた。

つまり以下の「構図」。

ユーロ 危機の震源地 < 豪州ドル 高金利通貨 < 米ドル 基軸通貨 < 円 逃避通貨

この構図は今も変わっていないため、当面は円が買われやすい展開が続く。

2012年の相場を展望すると、これまで為替相場に影響を与えてきた@米景気とA欧州財政問題に変化が現れれば、「構図」が崩れ相場が動くことになる。

@については、直近の経済指標が徐々に改善していることもあり、特に雇用において力強さがみられてくればFRBの利上げが視野に入り「構図」が変わる可能性がある。

Aについてはユーロの構造的問題(金融政策は統一しているが財政は各国独自)を露呈しているため、解決の糸口が見えない。

つまり今年の動きを予想すると、以下の通りとなる。

米ドル/円は下値不安を抱えつつ75−80を中心とするレンジで小動き、年末に向けては上値トライ。

ユーロは対米ドル1.20,対円90円に向けての軟調地合いを継続。」

とのことであります。

今年も一般的、常識的な見方からすると、相対的な円高は続きそうであり、輸出サイドにとっては厳しい状況が続きそうであります。

 

[混沌の中で行うべきこと]

 

上述した通り、今年は混沌の年と私は考えていますが、混沌の源は分からないこと、予測しがたいことにあると私は考えています。

 

「分からないこと。」

 私には、知らないことはもとより、分からないことがたくさんあります。

 人間は完全ではなく、分からないことがあるのは、ある意味では当然かもしれませんが、

「分からないことを分かるように努力すること。」

はとても大切であると思います。

 自らの知識と知恵を総動員して、少なくとも、自らの中では、

「論理を整えて理解をする、即ち、分かること。」

が大切であり、その過程となる、分かるように努力することは、少なくとも、とても大切なことであると私は考えています。

 そして、こうした努力は、一般的、相対的に見ると、私たち日本人よりは、アングロ・サクソン・ジューイッシュの人たちは得意ではないかと考えています。

 昨年の六月になりますか、米国のバーナンキFRB議長が、米国景気が予想に反して低迷し、更に低迷を続けるのではないかとの状態になった際、

「米国景気の回復の遅れについては、その正確な理由が分からない。」

との趣旨のコメントした際、市場関係者は心の底では大きな不安を感じました。

「分からない。」

ということは不安を助長し、

「分からない。」

ということはその問題に対する解決策を導きづらくすることに繋がります。

 従って、きちんと分かるように努力し、その上できちんと行動していくことが、知恵ある人間としては、不可欠です。

 これは例えば、企業経営の基本行動にも当てはまるのではないでしょうか?

 企業経営の理念を達成すべく動く際、やはり大切なことは、

「外部分析」

「内部分析」

をして現状認識をすることであります。

 また、意外に忘れているのは、マクロ経済分析や、業界動向、そして顧客ニーズを掴むマーケティングとともに、他社動向であります。

 近くの他社動向には目を向けていても、外国の業界他社は?周辺ビジネスを行なう他社は?

 即ち、こうしたことを綿密に行ないながら、

「自社の世界全体に於ける立ち位置をしっかりと把握する。」

という現状認識をし、分かることが、分からないことがたくさんあるこの混沌の時代には大切なことなのではないでしょうか?

 そしてまた、同時に自社内部の、

「ひと、もの、資金、情報といった自社が保有する経営資源は何か。」

を改めて確認し、この自社の強み、弱みと周辺ビジネス環境、自社の立ち位置をミックスして、今後、自社が進むべき道を模索していくということが大切であり、これも、やはりまた、

「分かる。」

ことから始まるのであり、

「分からない。」

では不安ばかりが先行します。

 そして、逆に、分かれば、例えば、課題が明確になる、課題が明確になれば、その課題を克服すべき方策を考え、それを実現し、当初見込みどおりに課題が克服されていけば、

「問題は解決、即ち、この方式をしつこく、しつこく続けていけば、極端に言えば、出来ないことはなくなるはず。」

であります。

 やはり、「分かること」は大切であり、

「分からないことが存在することを承知の上で、分かるように努力すること。」

が私たちが生きていく上では、特に今のような時代には大切なことではないでしょうか?

 今日も一つでも分かるように生きる、そのことに対して、努力をしていきたいと思います。

[日中の連携]

また、精神論だけではいけません。

何とか様々な形で突破口を見つけ出さなければなりませんが、今日は一例として日中の中小企業連携の可能性についてここでご紹介をさせてください。

 

日本のアジア研究の第一人者の先生に師事をし日本の大学を卒業された後、日本と中国、そして世界を股に駆けて活躍される、私が尊敬する中国人の友人が、

「日本と中国の中小企業の真の連携を推進したい。」

との思いを持たれ、中国の中小企業経営者の中で高まる、

「日本の企業から学びたい。」

との思いを受けて、

「日本にこうした中国の中小企業経営者を引率し、座学での勉強会をしつつ、日本の中小企業訪問ツアーを企画する、真の日中中小企業連携プロジェクト」

を推進したいと熱く語っています。

 日本の高い技術力、ソフトノウハウとのれんと、今や豊富な資金力を蓄え、大量生産・大量販売のマスのビジネス拡大を目指す中国本土の中小企業経営者が連携していけば、

「実体経済から見て、成果経済を再生できるのではないか?!」

と私は考えています。

 行き過ぎた信用創造を背景に、国際金融資本主義が空回りをして、混沌が更なる混沌を生みそうな現在、こうした、

「日中連携による実体経済の再拡大」

を図ることが、世界経済再生の遠くて近い道ではないかと私は考えています。

 今年は友人が推進するこのようなプロジェクトに魂を入れていくことをお手伝いしていきたいと考えています。

 皆様方も是非、ご協力ください。

 

本年も、どうぞ、引き続きどうぞよろしく御願い申し上げます。

以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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