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2012年4月[Sanada発 現場から]


 
[ものづくり大国、日本のあり方]

 

 今日は、これまでこのレポートの中でも申し上げていることを、少しだけ纏めさせてください。

 私は、日本という国は、

「世界に必要なものやサービスを日本から、そして、可能な限り日本からしか提供できない、世界に必要な多くのものやサービスを、量と価格を安定にして提供できる国になるべきである。

 そして、そうしたことが出来る企業や組織を増やし、日本に居ながらにして外貨を稼ぎ、雇用を守り、儲けて戴いて、税金を払っていただき、そのお金を以って地域のインフラを拡充していくべきである。」

と考えています。

 世界に必要なものやサービスを提供した正当な対価を原則としては「基軸通貨」を、或いは「日本国通貨=円」で頂戴し、これを以って、日本が生きていく為に必要な食糧、エネルギー、原材料を調達し、日本も世界と共に繁栄=共存共栄する国になればよいと考えています。

 そして、上述したように、そうしたことが可能な「企業・組織」を一社・一組織でも多く作り、更にその企業・組織を支える「人材」を一人でも多く、存在させる国として発展すべきであり、その為にも先ずは、

「比較競争優位を持つ一騎当千の人間が一人でも多く輩出できるような教育システムにいち早く体制を変えると共に、一騎当千の人間が集まる競争力のある企業が輩出される産業社会へと政府主導で大きく転換していくことが重要である。」

と考えています。

 即ち、

「日本に居ながらにして基軸通貨を稼ぐ企業、世界何処でも基軸通貨を稼げる人材を輩出、そうした企業に雇用機会を作ってもらい、そうした個々の人材自らが雇用機会を探り、結果として、儲けて戴き、日本に税金を払って戴いて、日本そのものの発展も誘導できるような企業と人材に活躍してもらえるような国に変えていくことが重要である。」

と考えています。

 企業や個々人は、従って、

*世界に必要なもの、サービスは何か?その必要な量は?単価は?リピートの期間は?といったものを探り、世界に必要なものを探り当てる。

*そして、その世界に必要なものやサービスを出来る限り、世界中で日本しか出来ない、日本企業しか出来ない、わが社しか出来ない、私しか出来ないものへと絞り込んでいく。

*その上で、日本が提供するものやサービスを世界の中で誰が最も高く評価してくれるのかを探り当てる。

という努力をする必要があり、

「世界の中での自らの立ち位置を知ること。」

が「真の国際化」の第一歩となると考えています。

 そして、理想的には、

「量も単価もリピートのサイクルも十分なものやサービスを日本しか提供できず、更に、そうした事実を最も高く評価してくれる人が誰であるかを認識できれば、世界は日本にしっかりと働いてもらうために、日本を殺さない、そしてそのものやサービスの提供に必要な原材料やエネルギーを渡す、更に、少なくとも、日本が十分に生きていける程度の利益を日本に対して、対価として支払ってくる。」

でありましょうし、ここから先は、日本が常に、世界を見回して、

*世界が必要なものやサービスに変化はないか?

*日本しか提供できないということに変化はないか?

*日本を最も高く評価してくれている人に変化はないか?

をチェックしていきながら、生きていけば、日本は国家として繁栄しながら、存続をしていく基盤が固まっていくでありましょう。

 但し、当面の間は127百万人を超える国民を食べさせていかなければならない産業基盤が必要となり、その為には、日本独自で提供できるといった差別化されてものというよりは、利益率は少なくても、シェアを確保、量を確保して、一定の売上高を確保できるような、大量生産大量消費・販売型のマスのビジネスを推進できる産業を、一定程度は、日本としても持ち続ける必要が出てきましょう。

 しかし、将来、人口の資源減が予想される中では、量のビジネスから質のビジネスへと体質転換を図り、日本人の特性(マニュアル化出来ない技術を持ち、更にそれをマニュアル化しようとする磁力を図る、丹精込めた仕事を平準化して行なう、顧客主導でのビジネス姿勢を貫く、アフターケア・メンテナンスといった地味で超高利益率は期待できないものの、安定したビジネスコアとなる分野に強く、また向いている等々)を生かした国家の産業構造に転換していけばよいと考えています。

 強き日本の産業構造再生と、世界に貢献する、世界と共に生きる日本の再生の為に、日本は今、再び、立ち上がらなければならないのではないでしょうか?

[基礎体力のある企業]

 そこで、後段は上述したような強き日本を支える基礎体力のある日本企業のひとつの原型について、コメントさせてください。

 私は、最近は様々な分野で、

「体力増強、底力の強化が必要である。」

と感じています。

 いくら、うわべの処方箋をとっても、

「そもそもの力」

これは即ち、基礎体力、基本的な能力とでも言いましょうか、これが無いと、処方箋をとっても効きにくい、効かない、或いは、場合によると、基礎体力のなさが故に、

「処方箋を取ると、更に状態は悪化する可能性もある。」

とまで感じています。

 従って、基本的なポイントを見直す必要性というものを強く感じている次第でありますが、これを個人レベルで違った角度から見ると、

「知力、体力、気力のバランスある強化、発展がなされている人間は基礎体力が強く、様々な現象に対処できる。」

と考えており、企業レベルで見ると、

「本業力があること、展開力があること、そして人間力の強いことが、企業としての基礎体力の根底にあり、これらをかね揃え、バランスよく発展している企業は長寿企業として、更なる発展の可能性を高く持つ企業である。」

とも考えています。

 即ち、上述したような、

「基礎体力のある人材が充実している企業が、基礎体力のある企業として、更なる発展とビジネスの永続性の可能性が高い企業である。」

とも考えているのであります。

 そこで、企業を金融的な視野から見ると、様々な必須ポイントを抱えて戴かなければならない中、今日は、次のようなポイントが大変重要であると私が考えていることをお伝えしたいと思います。

 即ち、それは、

(1)公共性

 きちんとした社会貢献をしているということ。世界に必要なものやサービスをわが社しか作れない、数社しか作れないといった比較競争優位を持ちながら、その会社の存在意義が自他共に明確にされている企業であるか否か?

(2)収益性

 現行の中核ビジネスに於ける明確なる収益源が存在しているか否か?

 そして、その収益源が、今後どの程度維持できるかに関しての論理的な見通しを持っているか否か?

 更には、その収益源に変わる、或いはその収益源に追加される新たな収益源に関する目処が立っているのか否か?

(3)安定性

 本業ビジネスから生じるであろうリスクを認識し、かつそれに対する未然の対処が出来ているか否か?

 キャッシュフローは確保され、その中で、他者に立対する負債がある場合には、返済減資に問題はないか、支払能力に問題がないか?

 コンプライアンスや名声リスクといった見にくいリスクが水面下で存在していないかどうか?

(4)成長性

 本業の利益たる営業利益の拡大に向けて、売上高の伸びに論理的かつ明確な確信を持っているかどうか?コストの極小化に対する論理的かつ明確な確信を持っているかどうか?

といった点が重要なるチェック・ポイントになるかと思います。

 こうした点も踏まえて、是非、より一層強い企業経営を目指して、具体策を打ち、実際の成果を獲得される企業が増えることを私は切望しています。

 皆様方はどのようにご覧になられていらっしゃいますか?

以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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