今日は、これまでこのレポートの中でも申し上げていることを、少しだけ纏めさせてください。
私は、日本という国は、
「世界に必要なものやサービスを日本から、そして、可能な限り日本からしか提供できない、世界に必要な多くのものやサービスを、量と価格を安定にして提供できる国になるべきである。
そして、そうしたことが出来る企業や組織を増やし、日本に居ながらにして外貨を稼ぎ、雇用を守り、儲けて戴いて、税金を払っていただき、そのお金を以って地域のインフラを拡充していくべきである。」
と考えています。
世界に必要なものやサービスを提供した正当な対価を原則としては「基軸通貨」を、或いは「日本国通貨=円」で頂戴し、これを以って、日本が生きていく為に必要な食糧、エネルギー、原材料を調達し、日本も世界と共に繁栄=共存共栄する国になればよいと考えています。
そして、上述したように、そうしたことが可能な「企業・組織」を一社・一組織でも多く作り、更にその企業・組織を支える「人材」を一人でも多く、存在させる国として発展すべきであり、その為にも先ずは、
「比較競争優位を持つ一騎当千の人間が一人でも多く輩出できるような教育システムにいち早く体制を変えると共に、一騎当千の人間が集まる競争力のある企業が輩出される産業社会へと政府主導で大きく転換していくことが重要である。」
と考えています。
即ち、
「日本に居ながらにして基軸通貨を稼ぐ企業、世界何処でも基軸通貨を稼げる人材を輩出、そうした企業に雇用機会を作ってもらい、そうした個々の人材自らが雇用機会を探り、結果として、儲けて戴き、日本に税金を払って戴いて、日本そのものの発展も誘導できるような企業と人材に活躍してもらえるような国に変えていくことが重要である。」
と考えています。
企業や個々人は、従って、
*世界に必要なもの、サービスは何か?その必要な量は?単価は?リピートの期間は?といったものを探り、世界に必要なものを探り当てる。
*そして、その世界に必要なものやサービスを出来る限り、世界中で日本しか出来ない、日本企業しか出来ない、わが社しか出来ない、私しか出来ないものへと絞り込んでいく。
*その上で、日本が提供するものやサービスを世界の中で誰が最も高く評価してくれるのかを探り当てる。
という努力をする必要があり、
「世界の中での自らの立ち位置を知ること。」
が「真の国際化」の第一歩となると考えています。
そして、理想的には、
「量も単価もリピートのサイクルも十分なものやサービスを日本しか提供できず、更に、そうした事実を最も高く評価してくれる人が誰であるかを認識できれば、世界は日本にしっかりと働いてもらうために、日本を殺さない、そしてそのものやサービスの提供に必要な原材料やエネルギーを渡す、更に、少なくとも、日本が十分に生きていける程度の利益を日本に対して、対価として支払ってくる。」
でありましょうし、ここから先は、日本が常に、世界を見回して、
*世界が必要なものやサービスに変化はないか?
*日本しか提供できないということに変化はないか?
*日本を最も高く評価してくれている人に変化はないか?
をチェックしていきながら、生きていけば、日本は国家として繁栄しながら、存続をしていく基盤が固まっていくでありましょう。
但し、当面の間は127百万人を超える国民を食べさせていかなければならない産業基盤が必要となり、その為には、日本独自で提供できるといった差別化されてものというよりは、利益率は少なくても、シェアを確保、量を確保して、一定の売上高を確保できるような、大量生産大量消費・販売型のマスのビジネスを推進できる産業を、一定程度は、日本としても持ち続ける必要が出てきましょう。
しかし、将来、人口の資源減が予想される中では、量のビジネスから質のビジネスへと体質転換を図り、日本人の特性(マニュアル化出来ない技術を持ち、更にそれをマニュアル化しようとする磁力を図る、丹精込めた仕事を平準化して行なう、顧客主導でのビジネス姿勢を貫く、アフターケア・メンテナンスといった地味で超高利益率は期待できないものの、安定したビジネスコアとなる分野に強く、また向いている等々)を生かした国家の産業構造に転換していけばよいと考えています。
強き日本の産業構造再生と、世界に貢献する、世界と共に生きる日本の再生の為に、日本は今、再び、立ち上がらなければならないのではないでしょうか? |