上述したとおり、世界経済情勢と言うビジネス環境の根幹に不安が見られています。
こうした中、私は今年前半から、
「2012年は混沌の年である。
そして、大きな価値観の変更を余儀なくされる、そんな出来事の兆候が見られる年であるかもしれない。
こうした状況にあっては、ビジネスも、これまでの常識や殻を打ち破って、進取の精神を以って立ち向かわなければならない。」
との主旨のことを申し上げてきております。
それでは、そもそもビジネスの世界では何故、この価値に意識を払わなければならないのでしょうか?
多分それは、
「価値は、品質、価格、納期の視点を支える基礎ポイントであり、これを以って比較競争優位を生み、ビジネスを成功に導いていく原点の一つだからである。」
といったことが言えるからではないでしょうか?
そもそも、ビジネスの世界で言うところの「価値」とは、
を指し、この使用と交換という視点で考えると、
「無形資産」
に価値を見出すことは大変難しいことであります。
しかし、そもそもの価値の定義は、
「物事の役に立つ性質や程度」
などと定義されていますから、評価のしにくい無形資産も十分に、
「価値」
として意識すべきものであり、否、様々なことが高度化、複雑化、多様化している現行の世界にあっては、むしろ、こうした
「無形資産に価値を見出し、価値を見出させるように、価値を気づかさせるように、マーケットを上手に誘導しながら、ここで比較競争優位を確立する。」
ことがビジネス成功の大きなポイントになるかもしれません。
こうして考えてくると、
「価値」
はビジネス的な視点からの価値ではなく、哲学的視点から見た、
「価値」
にもっと意識を払うとよいかもしれません。
即ち、価値を、
- 人間の好悪の対象となる性質
- 故人の好悪とは無関係にして、誰もがよいと承認すべき普遍的な性質であり、例えば真・善・美といったものに価値を見つけること。
などを意識してビジネスを展開していくと成功のきっかけはあるかもしれないということであります。
そして、それは決して大きなことばかりではなく、意外に近くのビジネスの場にあるかもしれません。
例えば、お味噌の人気が落ちているところで、駅近くのスタンドで、新鮮ジュースならぬ、新鮮味噌スープスタンドを経営、これに健康的という付加価値も付けて上手に売り出していく、もなかの皮の中に乾燥味噌汁の元を入れ、そのもなかの皮に可愛い絵をつけ、その絵を楽しみながら、簡単な味噌汁を作り味わってもらうなどを通して、味噌の売れ行き再拡大に貢献するなどといった事例も出ている、こうした事例がその一つの典型かもしれません。
ヒントは私たちの本当に身近なところにもある、是非、突破口を見出していきましょう。
次回号も引き続き宜しくお願い申し上げます。
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