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2013年1月[Sanada発 現場から]


[為替見通しと日本経済の潜在力について]

 

新年、明けまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、安倍政権誕生後、円安に振れ、また株価も上昇、米国も財政の崖の問題を何とか突破し、実体経済の回復が期待される中、
「2013年は景気回復が期待できる年」
といったスタートとなっているかと思います。
私もそうした良い雰囲気を持ち、また、これを期待する者の一人であります。

但し、円安は本当に続くか、続くとすると日本の好む水準で留まるのか、今度は行き過ぎた円安になりはしないか?株価の上昇は仕手筋の仕業ではないかといった根源的な懸念が払しょくされている訳ではなく、今一つ、冷静に評価をしていく必要があるかと思います。

こうした中、私は、円米ドル為替相場については、
「今現在は、行き過ぎた円高水準にあり、日本経済全体にとってはディメリットが出ている。」
と感じているものの、今のマーケットの動きからすると、円安に転じ始めると、今度は、
「行き過ぎた円安水準に至り、今度は為替の逆サイドでのディメリットを蒙らないか?」
とも危惧しています。

即ち、市場の円に対する大きなチェックポイントが、
「経常収支とこれに関連する貿易収支の動向にあり、この黒字が崩れていくことによって、今度は行き過ぎた“マイナス評価”がなされないか。」
を心配しています。

とにかく、一旦、適正水準と思われる1米ドル=90〜100円程度にまで調整されて安定化することを期待しています。

そこで、ここで為替のプロの見方をご紹介させて戴きます。
潮目は変わり始めつつあり、次のターゲットは1米ドル=90円程度でありましょうか?
尚、下記のコメントと同様、私も政府の中央銀行に対する圧力を強めることは、国際金融社会の常識では、あまりプラス評価されないと見ています。
この点も留意していきたいと思います。

「日銀は20日の金融政策決定会合で追加緩和を決め、次回会合までに“物価上昇率目標”の導入を検討するとした。
これは自民党安倍総裁の対日銀強硬姿勢に背中を押された形。
日銀の決定に前後して米ドル/円は3月につけた84.19の年初来高値を上方ブレイクした。
安倍氏は来年夏に実施される参院選が国民の信任を得るかの試金石としており、それまでは公約としているデフレと円高の是正をなにがなんでも進める姿勢だ。
政治とは別に、わが国の貿易赤字が常態化し経常黒字が大幅に縮小、一部に将来の赤字化を予測する研究機関(*)もでてきており、市場は円売り材料にこと欠かない。

リスクがあるとすれば米国における「財政の壁」に関する交渉が決裂し、投機筋の円売り米ドル買いポジションの巻き戻しが出るときだが、そこはむしろ米ドル/円の押し目買いのチャンスとなる可能性がある。
日米の金利差が拡大してきているわけではないため、現在の円売りの主体は短期の投機筋。
今後米景気の回復傾向が顕著になってくれば、中長期スタンスの市場参加者が米ドル/円の買いに参入してくる可能性が高まる。
2013年の米ドル/円については90円台に“戻る”ことを予想する。
相場見通しとは別だが、安倍氏は日銀法を改正し政治の支配力を強めるべきだと主張していることに対してひとこと。
このような中央銀行の独立性を脅かすような意見は今後のわが国の金融政策に暗雲を投げかけるものと思われる。
特に日本のように政治家がポピュリズムに支配され、結果として過去5年間の首相の平均就任期間が1年に満たない国では、中長期的視点にたって金融政策を行うべき中央銀行の独立性は経済の安定に不可欠である。
安易な法改正はすべきでない。
(*) 日本経済研究センターが12月7日に中期経済予測として日本は2020年代に向けて財政と経常収支が共に赤字となる“双子の赤字”となると発表。」

当面、円相場は日本にとって居心地の良い水準となるとの見通しで私もホッとしていますが、日本経済全体の将来に対してはまだまだ厳しい見方が出ています。
私は、日本が国際経済の中で翻弄され易い状況にある中、以下のようなゴールド万サックスが示したような見通しを否定できないとも考えています。
やはり、いつも書いておりますように、
「庶民、民間企業による自力再生」
の動きが必要不可欠であると考えます。
政府や行政を過度には期待せず、先ずは私たちの手で、今年も頑張りましょう!!

「米ゴールドマンサックスは、潜在経済力の目安としてまとめた「成長環境スコア」(GES)を発表した。
世界183カ国・地域のうち、韓国が2位、香港が3位に入った。
上位10位は1位から順に、シンガポール、韓国、香港、オーストラリア、スウェーデン、オランダ、ノルウェー、フィンランド、スイス、ルクセンブルクであり、米国は23位、日本は31位、中国本土は66位である。
欧州債務危機を受け、イタリアとギリシャはそれぞれ57位、116位となった。」

次回号も引き続き宜しくお願い申し上げます。


 
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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