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2013年7月[Sanada発 現場から]


日本を取り戻す

  日本経済の先行きについては、まだまだ様々な見方があり、現状ではまだ、
「為替差益も含めた広義の資産バブルの恩恵を受けている人とそうではない人との感じ方の格差」
は大きいようです。
  こうした中、今回は「日本を取り戻す」ことを見つめた上で、私たちがなすべきことを考えてみました。
  ご参考になれば、幸いです。

[日本を取り戻す]
  アベノミクス効果もあり、日本経済には光明がさし始めています。
  ご同慶の至りであります。
  そして、これに水を掛けるようなことをするべきではありません。
  特に、安倍首相が盛んにコメントをされている、
「日本を取り戻す。」
ことは大賛成であり、私自身はその延長線上で、
「強い日本が弱者にも配慮した共存共栄の道に進むこと。」
が極めて大切であるとも考えています。
  こうして見た場合、日本を取り戻す数値目標としては、まず、
1. 為替レートは、市場主義の下、理論値に於ける適正相場で推移させる。
2. 日経平均の最高値であった38,915円を目指す。
3. 株価時価総額では、最高額であった630兆円を目指す。
4. GDP成長率は最高水準であった13.3%は無理であるとしても、先進国として2〜3%の安定成長を維持する。
5. 失業率は最悪値である5.5%を意識し、3%前後に低下させ、少なくとも働く意思のある人たちに対して働く機会を提供できるように努力する。
6. GDPは最高値となった539兆円を上回る実績を目指す。
7. 経常収支は1981年から32年継続している通年黒字を今後も維持していく。そして、その結果として、外貨準備高・1兆米ドルを維持し、対外支払い能力の高さを内外に誇示する。
といった点の具現化が具体的な数値目標として考えられましょう。
  特にこれまで、国際金融市場が日本を評価する背景として、注目してきた、
「経常収支の黒字維持と外貨準備高の高さ。」
を維持していくことは必須であり、これを適正なる為替相場の中で具現化させていく、その結果として、日本企業の能力の高さをフル活用して、
「日本企業の市場価値を取り戻す。」
ことが実現できれば、
「2〜3%の安定成長」
も可能となってくるのではないかと思います。
  更には、こうした状況を具現化しつつ、その一方で、
「財政赤字問題を改善トレンドに向ける、その上でこれを可視化し、内外に知らしめること。」
を行い、内外の懸念を完全に払拭していくことが急務であると思います。
  今後もそのための具体策を意識した政策を注目したいと思います。

[私たちが目指すべき意識]
私は、
「弱者になればなるほど、自力再生、なるべく、他人を頼ってはならない。」
と考え、私自身も自力再生に向けて努力をしているつもりです。
  ところが、そうしたお話をすると、必ず、
「あなたは強いからいい。
  しかし、社会には本当に弱い人もいるのだ!!
  その人に自力再生をせよと言うのは酷である。」
と怒られてしまいます。
  そうですよね、確かに自力再生に向かって、到底、出来ないであろうと思われることまでやりなさいと言うのは酷です。
  しかし、私は弱者も出来ないことの限界までは頑張る必要があると考えています。
  皆さん、如何ですか?
  私はこう思うのです。
「人間、一旦、出来ないと諦めきってしまうと、出来るようにする努力すらしなくなる。
  だからこそ、出来ると考えて、しつこく、しつこく、しつこく頑張ることが先ずは重要である。」
と。
  私の見るところ、最近の日本人には、このしつこさをよい言葉として表現するところの、
「粘り強さ」
といったものが弱くなりつつあるのではないかと感じています。
  誰にも出来ないことはあります。
  しかし、
「出来ないことには出来ない理由がある。」
のです。
  だからこそ、その出来ない理由をきちんと認識したうえで、これを解決していく戦略を論理的に立て、実行していけば、出来るようになるはずです。
  否、少なくとも、
「今よりは改善する。」
のではないでしょうか?!
  私が申し上げたいことは、
「その現状認識をする努力と戦略を立てる努力」
に対する、
「粘り強さ」
が日本人からは消えかかってきているのではないか、そしてその結果、その戦略を実行することを忘れているのではないかと言うことなのです。
  今は、
「誰もが相対的には苦しくなっている。」
と言えます。
  そして、その苦しさの中で、本当に悲鳴を上げている人もいます。
  そうした人にはやはり、
「Safety Net」
が必要でありましょう。
  しかし、それでは、上述したように、私に対して怒ってこられるような皆さんは、そのSafety Netが真に必要な方ばかりでありましょうか?
  私が申し上げたいことはそのことなのです。
  もし、私に対して怒ってこられる皆さん全てが、単にSafety Netを頼る人になると、Safety Netに掛かる負荷がそのまま増える訳ですから、Safety Netは壊れやすくなります。
  皆さんはそうしたことを意識した場合、Safety Netを頼りにしなければならない方ですか?とお伺いしたいのです。
  ここから先は、その人たちの考え方に委ねられていきます。
いずれにしても、私は出来る限り自力再生で頑張りたい、そして余裕がある限り私自身が、皆様方のSafety Netの役割を、小さくても良いから、弱くても良いから、その役割を少しでも果たしていきたいと考えています。
後は不言実行あるのみです。
  そしてまた、こうした個人の努力の集積が、結果として、
「日本を取り戻す」
ことになるのではないでしょうか。

 次回号も引き続き宜しくお願い申し上げます。


 
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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