私は第二次世界大戦の戦勝国を中心にして資本主義社会の経済運営のルール作りとその監督・管理をする主要組織として設立された機関は、
「国際通貨基金、国際復興開発銀行、世界貿易機関(旧GATT)」
であると考えており、今でも、その影響力は絶大であると見ています。
そして、
* 国際通貨基金は、通貨に関するルール作りとその監督・管理
* 国際復興開発銀行は、戦後の復興とその後の開発に関するルール作りとその監督・管理
* 世界貿易機関は、貿易と投資のルール作りとその監督・管理
を大きな役割とし、現在もその世界的な権威は、圧倒的であります。
今般、これらの中の一つの機関である国際通貨基金が、毎年、この時期では恒例の経済見通しの修正値を示しました。
次に掲げる数値がその、GDP成長率に関するデータであります。
出所:国際通貨基金 単位:前年対比%
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2012年 |
2013年 |
2014年 |
世界全体 |
3.1 |
3.1 |
3.8 |
先進国 |
1.2 |
1.2 |
2.1 |
米国 |
2.2 |
1.7 |
2.7 |
英国 |
0.3 |
0.9 |
1.5 |
ユーロ |
-0.6 |
-0.6 |
0.9 |
ドイツ |
0.9 |
0.63 |
1.3 |
フランス |
0.0 |
-0.2 |
0.8 |
イタリア |
-2.4 |
-1.8 |
0.5 |
日本 |
1.9 |
2.6 |
1.2 |
アジア新興国 |
6.5 |
6.0 |
7.0 |
中国本土 |
7.8 |
7.8 |
7.7 |
インド |
3.2 |
5.6 |
6.3 |
ASEAN5 |
6.1 |
5.6 |
5.7 |
ブラジル |
0.9 |
2.5 |
3.2 |
となっています。
そして、これらを総括すると、
(1) 2013年は、総じて経済が強含みで推移する。
(2) 新興国経済には、減速感が見られる。
(3) 一方、先進国は、今年は総じて景気回復に向けた動きが見られる。
といった表現が出来ましょう。
更に、留意したい点は、
(1) 来年は米国の経済成長が顕著となる。
(2) 欧州経済の回復も来年には顕在化する。
(3) その一方で、先進国の中では、来年は日本が減速する。
(4) アジア新興国は、今年は経済成長が若干鈍化するものの、来年は再び総じて高い経済成長を示す。
(5) 但し、中国本土の経済成長は横ばい、或いは、やや鈍化する。
(6) ブラジル経済は、今年、来年と成長力を取り戻す。
ということであり、世界経済の中核の一つである国際通貨基金は、
「日本経済の先行きに厳しい目を向けている。」
更に、
「中国本土経済についても楽観視はしていない。」
と言うことを意識しつつ、日本や中国本土、そして、アジア全体の経済動向をフォローしていくべきではないかと考えています。
そして、こうした見通しの中で、日本経済を考えていくと、欧州の財政問題が顕在化しないということを前提に、その欧州よりも悪い日本の財政問題に国際社会の意識が集まる、そうした延長線上で、
「日本の税収の拡大の方向性は実現するのか?」
と言う点に国際社会の関心の一つは更に集まると考えられます。
そして、これを意識する自民党政権は、税収基盤を更に強化すると共に税収そのものを拡大する方向性を作る為に、
*マイナンバー制度の導入を急ぐ。
*消費税引き上げを段階的引き上げも含めて、先ずは10%にまで引き上げていくことを急ぐ。
といった形で具現化してくるであろうと国際社会は見ているようです。
引き続き、今後の動向を注視する必要がありそうで。
次回号も引き続き宜しくお願い申し上げます。
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