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2014年7月[Sanada発 現場から]


[中英、中露と、日本の関係について]

[はじめに]
 二ヶ月連続で海外のお話となってしまいますが、今月も日本の周辺大国・中国本土と日本の関係を軸に、昨今の国際情勢の一部を垣間見てみたいと思います。
 直接、皆様方のお仕事に繋がるお話ではありませんが、間接的には、日本を取り巻く環境に影響を与えるであろうお話であるかと思います。
 ご一読ください。

[中英関係について]
 私は、大航海時代からの世界的な既得権益層は欧州に存在し、私たちの目に見える存在は英国王室であろう、そしてその英国王室を仰ぐ英国は、世界の中で、産業革命発祥の地であっても、実体経済の分野では力を明らかに落としている、しかし、その一方で、金融・情報・サービスの分野ではまだまだ世界の中核国家であると認識しており、更にまた、
「英国王室の威信=Dignity」
を背景とした英国連邦の力は強烈に強く、
「世界の中での英国の存在は偉大である!!」
と認識しています。
 その英国は、かつて、アジアの大国・中国を、
「眠れる獅子」
として恐れ、その恐れの裏腹で、アヘン戦争などを通して、その力を落とし、香港の割譲などに繋げて、帝国主義時代にあった当時の英国も、他の欧米列強と同様に、
「アジア統治の基盤を固め、世界の中での存在感を更に高める動きを活発化した。」
と言えましょう。
 そして、第二次世界大戦後は、世界の中核国家の表舞台の主役を米国に譲った英国でありますが、しかし、私はやはり、
「世界に於ける英国の力は偉大なり。」
と考えており、日本も米国などとの関係を維持しつつも、早期に、
「新・日英同盟締結」
を促進するべきではないか、それが、
「日本の世界に於ける立ち居地を安定化させる一つの具体的な方策ではないか。」
と考えています。

 こうした中、今般、英国の主要紙の一つであるタイムズは、
「中国本土の李克強首相訪英に際して、エリザベス女王との面会を要求し、応じないなら訪問を撤回すると脅していた。」
と報じ、英国政府は結局、李首相との面会を受け入れたと報道している記事に接しました。
 同紙では更に、
「エリザベス女王は外交戦で“人質”にされたとし、李氏は国家元首ではなく、また経済協力が主な訪問目的なのに、女王との面会のために脅しをかけた。
英国が、中国本土への巨額投資で損をしないよう必死になり、英中関係の不均衡が拡大している証拠である。」
とコメントされており、英国政府もまた、こうした報道を否定していない様子なのであります。
 また、私の認識では、
「英国の中央銀行と中国本土の中央銀行が金融面での連携を強化している。」
と思われ、更に、
「中国本土が、アヘン戦争の仕返し、英国のお財布の中に手を突っ込んで、今度は英国の国内から英国を蹂躙しようとしているのではないか。」
とも私の目には映ります。
 いやいや、
「したたかな英国は、したたかな中国本土を今回も手玉に取り、懐に中国本土を引き込んで、再び、中国本土を懐柔し返すのではないか。」
との期待?!も含めて、私は英国の対中外交の行方を見守っているのでありますが、いずれにしても、
「中英の接近」
はやはり気になるのであります。

 皇帝を失っている中国本土ではなく、歴史的に長きにわたって皇室を仰ぐ日本の優位性を生かして、天皇陛下にもお出まし戴き、日本こそが、英国にきちんとアプローチをし、
「新・日英同盟」
を締結、その上で、
「金融・情報・サービスを中心に表の世界での主役は英国にお任せして、日本は世界のものづくりのスタンダード作りの役割をしっかりと果たして、実体経済を基盤に、世界にきちんと貢献していく、その為にも、新・日英同盟締結と共に、スイス、イスラエル、シンガポールと言った小国ながらも、技術力と資金力、そして情報戦も含めた軍事力を持つ国々と緩やかなる連携を図りながら、世界に尊敬される国家に、日本はなるべきである!!」
と私は考えています。
 だからこそ、
「中国本土に英国接近の先を越されてはならない!!」
のであります。
 私にとっては、いささかショッキングな英国・タイムズの記事でありました。

[中露関係、そしてロシアと日本について]
 私は、人間と言うのは実にしたたかな動物であると思います。
 そして、人付き合いも仲が良いと見えても実際にはどちらか一方が、或いは共に他所では陰口を聞いている、逆に仲が悪いように見せかけて実は仲が良い、立場を曖昧にして自らが状況に応じて動けるように動き易くする等々、なかなか巧みに動く動物ではないかとも思います。
 国際社会に於ける一般的、相対的な比較に於いては、
「現在を生きる日本人は、こと、外国、外国人との関係では、こうしたしたたかさに欠ける。」
とも言えるかもしれませんが、その本質は日本人も外国人も、人間としてあまり変わらない、即ち、したたかではないかと思います。
 そして、そうした流れにあっては、敵の敵は味方的な関係(Friend友達+Enemy敵=Frienemy)も生じるでありましょう。
 さて、こうした中、昨今の中東問題シリア情勢、ウクライナ情勢、中越や中比関係、更には尖閣諸島や竹島問題など、私には、
「米国の威信低下」
の下で、国際情勢が動く中、
「米欧から一定の非難を受けている中露」
が表面にも見える形での連携を示していることは間違いないと見ています。
そして、中露は、彼らの非難、批判の矛先を取り敢えずは日本に向ける、即ち、
「強力であり、あまり本格的な敵には回したくない“欧米”に対して直接、非難、批判の矛先を直接向け返すと事態の収拾が難しくなると言うことを想定して、欧米よりは叩き易い日本をターゲットとした圧力を深め、日本の後ろに見え隠れする、欧米を牽制する。」
という戦術に出てきているように思われます。
そして、中国本土の習近平国家主席は、上海を訪問したロシアのプーチン大統領と会談し、共同声明を発表しましたが、この共同声明によると、中露両首脳は、
「ドイツのファシズムと日本軍国主義に対する勝利70周年」
を迎える来年、記念式典を開催することを改めて確認した上で、
「歴史の改ざんと戦後秩序の破壊に反対する!!」
と明記しつつ、日本を非難し、欧米諸国に混じってG7での偉そうな仕草に対して、強烈なパンチを浴びせかけようとしている、しかし、欧米は直接非難せず、あわよくば、
「欧米と日本を引き離し、日本だけを孤立させ、今後、国際社会の中でむしろ日本だけを悪者にしつつ、孤立化させる。」
という戦術に出てきているようにも見受けられるのであります。
 心配です。
 しかしまた、慌てることはありません。
 私の認識では、中露は共に相手方をあまり好いてはない、むしろ嫌っている傾向が強く、日本や欧米も、逆に、
「中露を分断することもできる。」
と認識しておくべきかと思いますし、また、実際に、
「プーチン大統領は、日本へのアプローチの声を投げかけることを忘れてはない。」
と思います。
 北方四島問題を絡めつつ、シベリア・サハリン開発に関する日本のコミットとそれに伴う経済的な利益はプーチン大統領にとっては一つの大きな魅力であるはずであり、またロシア自身が中国本土をけん制するカードとしても使えましょう。
 だからこそ、日本も欧米や中露に負けず劣らずしたたかに動いてもよいと思います。
 それこそが、安倍首相がしばしば記者会見で発している、
「国民の生命、財産を守る。」
という一つの大きな道でもあるからです。

 それにつけても、私は個人的には、
「そんなことを言わず、皆、もっと率直に、そして皆が繁栄するような方向に力をあわせようではないか!!」
と申し上げたいのでありますがーーー

 皆様方は、どのように思われますか?

 次回号も引き続き宜しくお願い申し上げます。


 
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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