SAITAMAビジネスライン 埼玉産業人クラブ
埼玉ちゃれんじ企業経営者表彰
ホーム    サイトマップ    当クラブについて   
現在位置:ホーム >Sanada発 現場から サイト内検索
 

2015年3月[Sanada発 現場から]


[景気回復は自らの手で!!]

 日本経済の現状を見ていると、やはり、
「まだら模様」
の景気概況といわざるを得ないと思います。
 そして、厳しい見方をすれば、
「良いところと悪いところの差(意識や感覚の差も含めて)」
も拡大しているとも見受けられます。
 アベノミクスの三本の矢の金融、財政の二本の矢だけであれば、こうした現状を打破できず、また、こうしたことを承知して、日本政府も「成長戦略」という三本目の矢を繰り出すことに注力、そうした中で示された策の一つである「規制改革」は重要な戦略であり、その一つとして掲げられた、
「農協改革」
について、私は大きな一歩であると認識しています。
 もちろん、こうした規制改革は、守るべきものを守り、緩和すべきを緩和するという具体策を以って、具体的な効果が出て始めて評価をすべきでありましょうが、私は今後も大いに期待したいと考えています。
 しかし、こうした一方で、私たち庶民は、政策を期待し過ぎることはせず、
「自力再生、自助努力での再生」
をもっともっと推進、それに、もしも、政府が主導する成長戦略が加われば、
「幸いである。」
と思うような振る舞いをしていくべきであろうと私は考えています。
 そして、そうしたことを企業経営レベルで考えてみると、企業経営にとっての一番のカンフル剤は今、
「売上高」
の拡大にあると私は考えています。
 もちろん、薄利多売となることを回避、その売上高の拡大に関わるコストを十分に意識、薄利多売はおろか、赤字とならぬように留意しなくてはならないことは当然のことでありますが、先ずは、売上高を如何に拡大していくかを考えることが今現在は、大変大きなテーマであると思います。
 そこで、以下に、本当に体系的に、一般的に見てのチェックポイントでありますが、こうした手順を踏んで、売上高拡大の道を模索しても良いのではないかという私なりの考えを簡単に列挙してみたいと思います。
 わが社の主たる事業ポートフォリオは、

  1. わが社の生産する製品単価や提供するサービスの単価は小額なのか、或いは巨額であるのか?前者であるとすれば、規模の経済性を追及するビジネスを優先しなければならず、後者であれば、質を優先するビジネスを志向しても良くなる。
  2. 規模の経済性を追い求めるものであるか、或いは少量・変量、多品種、高品質、高利潤を追い求めうるものであるのか?前者であるとすれば、一般的に考えれば、売上高拡大を求める市場は国内ではなく海外、就中、新興国の中で経済状況が安定している市場になり、日本国内に関しては、日本国民に対して継続して大量販売が出来るような商品の開発、マーケティングを仕掛けていく必要がある。一方、後者であるとすれば、国内にまだまだ、秘められた市場が残っている可能性が相対的には高く、その中で量よりも質、ハイマージンを求めうる先にアプローチをすべきであり、また海外展開の余力や経営体力がある企業であれば先進国、就中、欧州が攻め込む市場としての可能性を残しているものと思われる。
  3. B to Bビジネスであるのか、B to Cビジネスであるのか?前者であるとすれば、そのBであるところの企業体は、まだ日本企業、日系企業の中に残っているのか?或いは外資系企業の中にしか無いのか?外資系企業でも先進国ORIGINの外資系企業なのか、新興国ORIGINの外資系企業なのか?後者であるとすれば、そのCは国内にもまだ十分に存在しているのか、海外に求められるのか?海外でも先進地域なのか、新興国地域なのか?
  4. 中心は「もの」であるのか、「サービス」であるのか?前者であるとすれば、その「もの」を必要としている市場が何処かを上記1,2などを勘案しながら求め、「サービス」であるとすれば、国内の市場の可能性を追求しつつ、海外、就中、先進地域を意識して、日本国内向けサービスをそれぞれの海外仕様に少しずつ、ビジネスモデルチェンジをして活路を見出す。
  5. 取り扱いの軸は部品系なのか、完成品系なのか?前者であるとすれば、その部品の最大の購入者は誰になり、その周辺にはどのような潜在的な顧客がいるのか?完成品であるとすれば、その完成品の最大の購入者and/or最大の購買層を抱える地域とその周辺にはどのような潜在的な顧客がいるか?
といったことを、一般的ではなく、
「わが社の視点」
から吟味しつつ、今後のわが社の売上高拡大の主たる活路が何処にあるかを、
「先ずは相対的なリスクが少ない日本国内販売を」
「続いて、日本で最大限の準備をした上で、輸出、部分輸出、或いは人が当該サービスを提供しに行く形で、極力、その利益を直接日本国内に持ち帰りうる販売を」
「そして本格的な海外展開による海外販売を」
という優先順位を意識しながら、見定め、その分野に対して、わが社の人材、資金、設備をはじめとする有形資産、そして情報を、コストを極小化しつつ、総動員して、
「売上高拡大の道」
を見出してみてはどうかと私は考えています。
 そして、こうした手順は一社、一社の状況やその会社を取り巻く環境が異なることから、オーダーメードで検討して、現状認識をした上で対策を立て、更に実行していかないといけないのではないかと考えています。
 今日も、皆様方と共に、売上高拡大の為に知恵を絞り、行動をしてきたいと思っております。そして更に、埼玉ではこうした企業訪問キャラバンを他の皆様方と共に拡大することとしました。
 私も頑張りたいと思います。

 引き続き宜しくお願い申し上げます。


 
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
コンテンツ

例会・講演会

各部会紹介

リンク


SANADA発現場から

お問い合わせ

当クラブ(地図)へのお問い合わせ、入会希望など、お気軽にお問い合わせください。

tel0438-872-2281 fax048-872-2285

Eメール
clubsaitama@sangyojin.org

お問い合わせフォーム

ホーム当クラブについて埼玉ちゃれんじ企業者表彰例会・講演会情報ファイルお問い合わせサイトマップ
NITEC埼玉産学交流会TDU産学交流会埼玉ビジネス研究会経営研究部会企業PR部会人材開発部会産友会分科会
Copyright (C) 2004 SAITAMA SANGYOJIN CLUB All rights reserved