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2016年6月[Sanada発 現場から]


ビジネスを行う上でのチェックポイント


はじめに

 皆さん、今回は、皆様方に経営に関係が深い、
「もの作り企業のもの作り業務フローから見たチェックポイント」
並びに、
 「国際展開を意識する場合のカントリーリスク」
について、簡単に纏めてみたいと思います。
少しでも、ご参考になれば、幸いであります。

もの作り企業のもの作り業務フローから見たチェックポイント

 もの作り企業のもの作り業務フローから見たチェックポイントは何か?について、文系の真田の視点から箇条書きでコメントさせて下さい。
もちろん、これが全てでは無く、また絶対でもありません。
しかし、こうしたチェックも必要かと思っています。

  1. 先ずは社会全体を睨み、潜在的なお客様も含めた顧客を知り、そのニーズと懐具合を知ることから全ては始まる。
  2. それに対して我が社はどこまで社会要請、顧客ニーズに応えられるかを知り、その為に掛かるコストがいくらかを目算する。
  3. その上で、利益の出るもの、利益が出る顧客を先ずはターゲットとする。
  4. 営業・営業技術
    受注活動を図る。我が社の強み、品質価格納期を徹底的に知らしめる。
    仕様決定。我が社にとって作りやすい仕様を意識。
    設計。生産工程も意識した設計を心掛ける。
    契約締結。必ず、弁護士等のチェックを受け、法的リスクを極小化する。
    この段階で代金回収まで意識して契約する。前受け、後払いが原則。
  5. 設計
    機能設計、構造設計、制作設計を徹底する。営業との仕様確認を怠らない。
  6. 研究開発
    営業、設計部門と連携し、品質価格納期のメリットを最大限活かせる開発に励む。
    設計とのデザインレビューを怠らない。
  7. 資材
    設計が最終決定したものを生産出来るように、資材を、量と価格で安定確保出来るように心掛ける。
    設計とのデザインレビュー、仕様確認を怠らない。
  8. 製造
    最も重要な生産ラインを安定的に稼働出来るように万全を期す。
    設計とのデザインレビュー、仕様確認を怠らない。
  9. 生産技術
    生産設備、製造技術をチェックする。
    設計とのデザインレビューを怠らない。
  10. 生産管理
    生産管理、工程管理を怠らない。
    設計との仕様確認を怠らない。
  11. 品質保証
    品質検査を徹底する。
    法的リスクを確認する。
  12. 出荷
    顧客へのデリバリーリスクを残さない。

私が、ものづくり企業様とお付き合いをさせて戴く際には、以上のようなポイントも意識しながら、皆様の会社を拝見致しております。

カントリーリスクについて

国際ビジネスを行う際に先ずは意識しなくてはならないことの一つにカントリーリスク (country risk) と言うものがあります。
これは、単に、格付け機関が各国に対して付けているカントリー格付けだけで示されるものではありません。
格付け機関が提示する通常のカントリー格付けは、一般的、基本的には、対象国の発行した国債の債務不履行発生比率から示されるものが多く、上述した、私の申し上げているカントリーリスクの一部の象徴的数値指標でしかありません。
即ち、そもそもカントリーリスクは、
「海外投融資や貿易を行う際、対象国の政治・経済・社会環境の変化のために、個別事業相手が持つ商業リスクとは無関係に収益を損なう危険の度合い。」
と言うものを指しており、「ある国との」and/or「ある国での」ビジネスを行う際のビジネスリスクとも言えます。
通常は、その対象国のGDP、国際収支、外貨準備高、対外債務、司法制度などの他、当該国の政情や経済政策などといった定量要素と定性要素を組み合わせながら判断されます。
そして、一般的、相対的には、特に開発途上国においてのカントリーリスクが高く考えられることが多く、よって、これらの国のビジネスは、リスク対比リターンの概念から、通常は、
「先進国ビジネスに比較すれば、ハイリターンが確保されて然るべし。」
とされるのです。
また、近年の歴史を見ると、第一次石油危機の際、多くの開発途上国において対外債務が累積し、これまでの商業リスク概念を超えた考え方が必要であるとしてカントリーリスク概念が注目されるようになり、それから、今日に至っています。
また、一つの重要なチェックポイントとなる、ビジネスに於ける、
「収益を損なう原因」
のうち、何をカントリーリスクとして考えるかは、様々な意見がありますが、例えば、

  1. 経済情勢の変化
  2. ディフォルト
  3. 政治情勢の変化
  4. 内乱や革命、その他政情不安
  5. 政権と経済界との癒着、政権による企業経営への介入
  6. 当該国の政策変更
  7. 外資規制、為替政策の変更
  8. 国有化、その他政策・法律の変化
  9. 社会的要因
  10. 国民の教育水準の低さ
  11. 政治家や公務員(警察、行政機関など)の腐敗(職務の怠慢、賄賂による汚職、職権濫用の横行など)
  12. 犯罪の検挙率の低さ
  13. 司法制度の不備や不公正、遵法意識の欠如(法務リスク)
  14. 所得格差の増大や、宗教・民族対立・地域間格差などの社会問題
  15. 知的財産権(著作権・特許・商標など)の侵害・濫用・詐取
  16. 先端技術や商品製造ノウハウの流出と模倣品の氾濫
  17. 自然災害など
  18. 地理学的・水文学的・環境学的な要因

等々、多岐にわたります。
国際ビジネスとは、こうした様々なリスクを勘案しつつ進められるべきであり、やはり難しいものと考えておくべきでありましょう。

引き続き宜しくお願い申し上げます。


 
以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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