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2019年7月[Sanada発 現場から]


私見 ビジネスの基本、そして、トランプ政権の圧力


今回は、全く、異なるテーマを二つ、取り上げたいと思います。
以下、ご覧ください。

[私見 ビジネスの基本]
ビジネスは需要のないところからは基本的には生まれてきません。
従って、ビジネスを始める際には先ずは需要が何であるのか、何処にあるのかを探らなくてはなりません。
そして、そうした需要がある潜在的顧客がどれだけいるのか?潜在的顧客がその需要に対していくらくらいの価値を見出し、支払いをしてくれるのか?それに対してビジネスを提供する側はいくらのコストでそのビジネスを提供できるのかを勘案した上で、潜在的顧客の支払い金よりもビジネス提供コストが少なければ黒字となる、その黒字となることを見込んでビジネスを開始すべきでありましょう。
更に、その際に、そのビジネスを欲している需要者たる潜在的顧客が、そのビジネス提供を喜び、
「ありがとう!」
という思いを込めて対価となる支払いをしてくれれば、
「社会のお役に立つ。」
という理念を達成した上でビジネスの提供者のビジネスは高く評価されることとなる、
私たちはそうしたビジネスを目指すべきであると思います。
しかし、一方で、最近、私が感じていることは、
「需要者たる潜在的顧客は実に移り気で長きに渡り、一つのものやサービスと言うビジネスの提供を求めない傾向にある。」
ということであります。
この結果、ある一つのものやサービスと言った特定ビジネスのマーケットライフサイクルは短くなり、よって、ビジネスを提供する側は、
「巨額の設備投資を軸とした初期コストを一定ビジネスに集中して掛けにくくなっている。」
と考えます。
こうした中では、所謂、
「流行を追う、かつ、初期投資コストの相対的には小さなビジネス」
が注目され、例えば、ゲームソフト開発などに見られるビジネス分野が大きくクローズアップされがちとなります。
また、実体経済を支えるソフト開発分野も注目され、ビジネスの主客逆転も見られるようになってきています。
もちろんこうしたビジネス分野は必要不可欠でありますが、しかし、
「実体経済あってのビジネス分野」
であり、実体経済が衰退すると早期に打ち切られる分野ともなりがちでありましょう。
こうして考えてくると、やはり、
「需要が長きにわたって予測される分野」
でのビジネスへの挑戦がビジネスの永続性への支えとなるはずであり、そうした分野は正に、
「人々が生きていく為に必要なものやサービスの分野」
となり、その中核は、
「空気、水、食糧、原材料、エネルギー」
と言った分野となり、日本としては、そうした分野を意識しつつ、
高度の部品
高度の製造装置
高度の新素材
そして、
メンテナンス
分野での日本の強みを内外に示し、
「世界に必要なものやサービスをできる限り、日本からしか提供出来ない分野に絞り込み、それを、日本国内のみならず、世界に適正価格で提供し、世界の人々に喜んで頂いて、対価を戴く。」
と言う経済構造に大きく転換を図り、そうした特殊な力のある企業と、汎用性が高く、規模の経済性を追求し、グローバルマーケットシェアを押さえこめるような、
「日本オリジンの無国籍企業」
がともに存在する経済社会に転換していくべきであると思います。
また、そうした中には、必ずしも超高度技術を持たなくとも、世界に強く需要があるビジネス分野において、その技術力やプロセスマネージメント能力の高さを生かして、適正品質と適正価格でものやサービスを提供しつつ、
「規模の経済性のメリットを享受出来る分野」
も含まれていると私は考えます。
そして、そうしたことを見事に経営に反映している会社の一つは、例えば、ユニクロであり、
「特に下着と言う、そこそこの品質レベルで、そこそこの価格で商品を提供しても、それに需要者が満足し、ついてくるようになれば、もとより市場規模が極めて大きく、結果として、経済性の高さがエンジョイできるようになる。
 因みに、最近では、こうした強みを背景にして、一部、高級品の生産販売にも実績を残し始めている。」
ということを具現化している企業もあります。
こうしたことを意識しつつ、
「さて、我が社はどの分野でどのビジネスモデルでビジネスを展開し、我が社の従業員を養い、かつ、企業として高利潤が上げられるようなビジネスとなるのか?」
を考えて経営をしていく必要があるのではないかと私は考えています。

[私見 トランプ大統領が他国にかける圧力の一つ]
 私は、米国のトランプ大統領は、米国国内の失業率を、ほぼ半世紀前と同水準となる3%台に落ち着かせており、米国庶民からすれば、雇用機会をきちんと守りつつ、経済循環を円滑にしてくれる、
「庶民の肌感覚からしても素晴らしい大統領である。」
との評価を受けていると見ており、現段階ではまだ、これと言った特徴と強みのある次期大統領候補を見出していない民主党に対して、
「トランプ大統領は次期大統領に近い人物である。」
と見ています。
 そして、こうした米国景気の強さを示す背景としては、企業の投資拡大、投資政策で起業しやすい環境を整え、投資を増やして、良質の雇用が生まれ、勤労者の所得も増えるという経済の定石を米国経済が示しているからであるとも思います。
 それはそうなのでありますが、私が見るところ、米国景気を支える一つの背景には、
「トランプ大統領が示す、防衛装備品販売拡大戦略」
にあるのではないかと私は考えています。
 例えば、トランプ大統領は、自ら積極的に米国からの防衛装備品購入意欲を示すサウジアラビアには非常に強い関心を示し、アプローチをしています。
 しかし、そのサウジアラビアと同様に米国からの防衛装備品購入をさせたいドイツ、韓国、日本に対しても、ここにきて、圧力を強め始めています。
 即ち、
「貴国の防衛予算は少な過ぎる。
 もっと、予算を拡大したうえで、米国から防衛装備品をより一層購入するように。」
との圧力を加えているようであります。
 そして、日韓に対する米国の圧力のかけ方はご高尚の通りでありますが、ドイツに対しては、
「社会福祉の為の予算を拡大し、防衛予算を拡大しないのは、相応の責任を果たしていないことと同じである。」
とコメントし、防衛予算の拡大を要求しています。
 下記のように2018年現在で、相対的に防衛予算の少ない国、ドイツ並びに日韓三か国に対する、米国の圧力は今後も続くものと見ておきたいと思います。

2018年の国家別防衛予算規模
単位;億米ドル
1.米国      6,490
2.中国本土    2,500
3.サウジアラビア   676
4.インド       665
5.フランス      638
6.ロシア       614
7.英国        500
8.ドイツ       495
9.日本        466
10.韓国       431

引き続き宜しくお願い申し上げます。

以上

 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光
 


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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