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2021年5月[Sanada発 現場から]


強者の論理とテロ


 私は、
「強者の論理」
を嫌います。
「強い者は弱い者を助け、弱い者は自らの力で頑張る。」
そうした世界を望んでいます。
 しかし、世界は強者の論理が強まっているように感じます。

[強者の論理]
 最近、私が強く感じていることの一つに、
「力は正義」
という考え方が世界に広がっているのではないかと言うことがあります。
 この地球上で生きている我々には、
「自然の摂理」
があり、その自然の摂理の中には、
「弱肉強食」
なる摂理がありますが、これからすると、
「力は正義」
と理解することは摂理に従っているものとも考えられます。
 しかし、崇高なる倫理観を持つ我々人類からすると、
「それでも弱者の論理や立場も尊重しながら、共生きを図っていくことこそ、人類が求めていくべきもの」
という姿勢を尊重すべきであり、例えば、
「平和的な議論の中で、弱者の意見も尊重しつつ、最終的には多数決を取っていく。」
ことが必要であり、
「単に力で押さえ込んでいく」
ことは厳に回避していくべきであることは言うまでもありません。
 しかし、実際の世の中を見ていると、例えば、人口の多さを背景にして、労働力の数と消費者の数が大きく、経済成長力の高い中国本土が、その力を背景として、中国本土に対して不都合な対応を取る国に対して、
「貿易制裁」
などを背景に、力の論理を行使してきています。
 こうした中、その中国本土との対立の構図が鮮明となってきているオーストラリアでは、中国本土との政治的な緊張が続く中にあって、中国本土政府がオーストラリア産品の輸入にブレーキをかけ続けており、上述したように、中国本土の巨大市場を背景にした力の論理に基づく圧力が続いていますが、オーストラリア政府は屈しないとしています。
私は、こうしたオーストラリアの動きの背景には、宗主国・英国との連携があるものと見ていますが、オーストラリアの産業界は、ビジネス的な打撃を受けつつも、中国本土依存からの脱却に向かって動き始めています。
「倫理観のない力の論理には崇高なる人間は屈してはいけない」
しかし、
「現実との折り合い」
もつけながら、私たちは頑張っていくべきであると私は改めて感じています。

[テロ]
 さて、こうして強者の論理がまかり通る世の中、世界では、
「論理で戦っても強者は弱者の意見を受け入れないのではないか。」
との疑惑が強まり、それが、
「テロ拡大の遠因」
となっている感があります。
 そこで、テロについて、以下コメントをさせて戴きたいと思います。

世界では、2001年9月11日の米国で発生した同時多発テロを大きな契機として、
「テロとの戦い」
という概念が生まれています。
 私の見るところ、このテロは、
「大国が自らのスタンダードを世界に押し付けてくることに対する暴力的な反発」
とも見られ、
「大国の論理に基づくグローバル化」
に対する暴力的な反対運動とも言えるかと思います。
即ち、世界の大国たちが、
「覇権主義的に、或いは自国第一主義的、International的に国家運営をする。」
のではなく、
「均衡主義的に、或いは、地球規模で世界を考えるGlobal的に国家運営をする。」
ことを選択して、国際社会との、
「違いを共に生きる」
と言う選択をすれば、今、もっと違った世界となっていたと思いますが、2021年現在、テロとの戦いは続いています。
 そして、新型コロナウイルス問題で、テロリストたちも困窮し、テロ活動が鈍ると期待しているものの、テロリストの間からは、
「いや、世界が困窮しているときの方が、むしろテロ活動がしやすい。」
として、テロリスト自身も厳しいであろう中にあっても、活動を活発化してくる可能性が指摘されています。
 こうした中、日本政府がまとめた国際テロリズム要覧2020の総括を見ると、先ず、
「2019年の国際テロ情勢は、ISILの最高指導者であるバグダディ氏の死亡によって、沈静化するかと期待されたものの、ISILによるテロの脅威は継続した。
 スリランカでもテロが発生し、邦人も犠牲になった。
 更に、アルカイダの求心力回復も見られ、予断を許さぬ状態にある。」
とコメントされています。
 更に、ISILは、南アジア、アフリカでも新たな関連組織を構築し、その活動には注意をしなくてはならないと見られています。
 こうした中、我が国日本は、今後の国際イベントの中で、
「日本に於ける国際テロ組織の活動」
にも留意をしなくてはならない状況となっているものと見られています。
 この場合、観光地などの、所謂、
「ソフトターゲットを標的としたテロ」
や新幹線、原発、ダムなどを対象としたテロ発生なども意識しなくてはならないようであります。
 そしてまた、何と、
「体液入りスプレーボトルを用いて新型コロナウイルスを拡散させることを奨励するテロの動きも見られる。」
といったとんでもない見方も出ており、懸念大であります。
 今後の動向をフォローしたいと思います。

引き続き宜しくお願い申し上げます。

以上

 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光
 


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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