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2010年11月[Sanada発 現場から]


「米国の国力低下と世界について」

 私は、米国や中国本土、ロシア、英国といった国々は、表面的には別にして、実際には、

「覇権主義」

を強く意識した国々であると認識しており、特に米国は、東西冷戦終結後の勢いを源として、世界の人々が生きていくために必要な、

「水、食糧、原材料、エネルギー」

を事実上支配し、更にこれらをお金でコントロールするために、

「金融界」

をも基軸通貨・米ドルのコントロール権を利用しながら支配、一方で、E−Mail、インターネットシステムと制宙権(=空だけではなく宇宙を含めた支配権)の支配を強め、情報をも押さえつつ、

「軍事力」

も押さえて、唯一の超大国としての立場を強めようとしていたと見ています。

 しかしながら、2001年の同時多発テロ事件の発生以降の潮目の変化を受けて、更には中国本土をはじめ、新興国の拡大、そしてサブプライムローン問題とリーマンショックという経済問題を背景に米国の覇権を支える国力は急速に低下し、そうした中で誕生した「オバマ大統領」は覇権主義的な政策姿勢から、

「均衡主義、協調主義」

への転換を示唆し、世界の流れは大きく変わろうとしています。

 しかし、今般、米国・中間選挙でオバマ・民主党は歴史的な敗北を喫し、共和党が勢力を盛り返す中、

「米国は強い米国の復権を目指すのではないか?」

と私は見ています。

 そして、例えば、実際に米国は、軍事力拡大も含めた太平洋西岸での中国本土やロシアの勢力拡大を意識、軍事的な圧力を水面下でこの両国に掛けているとも言われており、これを嫌がる両国は、米国との直接対立を回避しつつ、更には中露両国が水面下での協調を行ないながら、

「尖閣諸島や北方領土を意識した行動」

に出ているとの見方すら出ています。

 こうした状況下、米国・財務省は、京都で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合で、参加国・地域に対して世界経済の不均衡是正への協力を求めました。

APECの経常収支黒字国に対し内需振興に向けた構造対策や為替介入を抑制することで、世界経済の不均衡是正に貢献するように促したものであり、更に、韓国・慶州で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が共同声明に盛り込んだ経常収支の不均衡是正に向けた「参考となる指針」策定へ、米国として具体的な内容を求めるとしています。

 こうした動きの中で、米国の復権を目指しているとの見方もあり、逆に、こうした動きしか取れないほど、米国の覇権国家としての力は衰退しているとの見方も出ています。

 こうした中で、私が可能性として感じているものは、

(1)強い米国の復権を目指して「米ドル」が強い通貨に今一度是正されていく可能性があるのではないか。

(2)オバマ大統領は米国を金融ではなく実体経済から支えようとし、輸出振興を意識した政策を展開、米ドル安容認を示してきたが、これが是正されると共に、更にTPP推進問題についても一旦、ブレーキが掛かる可能性も出てきている。

といった点であります。

 いずれにしても、今後、米国がどのような動きを示し、世界がどのような構造変化をしていくのか、大いに注目したいと思います。


「日本の強さの一つ」

先日し新潟三昧の日々を過ごして参りました。

東北電力様にご縁のある企業様とたくさんの交流をさせて戴き、色々なことを学んで帰って参りました。

その中の一社さまには、今後の売り上げ拡大戦略、国際展開に関する意見交換などもさせて戴きましたが、それに当たり、先ずは工場見学をさせて戴きました。

専務自ら、向上を案内して下さいましたが、驚いたのは、先ず最初に、トイレからの見学、そしてトイレの便器の中のふたを素手で取り上げて、

「わが社は隅々まで綺麗にして仕事をしている。

 トイレの中の石鹸などもきちんと向きを揃えて一定にしている。

 そうした配慮の出来ないような人間はものづくりには向いていない。」

と仰り、トイレの次は掃除用具の保管庫、そして電気室など、隅々を綺麗にしていることを見せてくださいます。

 また、毎朝全社の掃除、週に二回は周辺の街中の掃除、そして、それを終えてから、毎日の全社員マラソンを徹底、健全な心と健全な体磨きをしていらっしゃるのです。

 更に、社員のことを社員とは呼ばず、

「仕事の仲間」

と呼び、辛いことも楽しいことも皆で共有する、しかし、そこに決して甘えはなく、人と競争する意識もあり、文字通り、競争と協調がなされている企業であります。

 ものづくりは、こうした形で普段から、

「丹精込めた仕事を心掛けていかないと良いものは出来ない。」

と仰る専務には自信が満ち溢れ、これをベースに比較競争優位を持つ技術が生まれ、

「協力企業としてプロに徹しよう。」

と、特に1988年以来はそうした理念と意識の下、発展をし続けていらっしゃいます。

 また、ものづくりに当たっての基本姿勢として、

「すべきことは必ずする。

 してはならないことは絶対にしない。」

を先ずは基本動作として、

「顧客から信頼される企業」

になることを徹底されています。

是非とも、こうした企業様に日本一、否、世界一のオンリーワン企業になって戴きたいと感じました。

 

 ところで、私はこうした日本の特徴を持つ日本らしい企業にはスイスの企業と連携して戴き、売上高を国際的に拡大して戴きたいと私はいつも考えています。

 こうした中、あるスイス政府高官は、

「『信頼できる』というスイスの国家ブランドイメージが、スイスの中小企業30万社に対する良好なブランドイメージに繋がっている。

そして、スイスの中小企業による海外進出を、スイスという国家のブランドが強く支えている。

国家ブランドイメージを活用し、海外で販路を積極的に開拓している。」

と示唆、また、

「高い教育熱と輸出志向型の経済構造、経済活力など、韓国とは多くの共通点があり、相互協力の余地も多い。」

と韓国でコメントしたと聞いております。

そしてまた、

「身軽な企業ほど、すき間市場を攻略する革新的なアイデアで市場に進出できる。

政府は海外での販路開拓、大規模投資、リスク分散など、中小企業ができないことを支援している。」

とコメントしており、こうした意識を持つスイスと日本の中堅・中小企業が何とかタイアップをして、相互発展できないかと私は改めて考えています。

 何とかよいアイデアを絞り出したいと思います。

 

 次回号もまた、どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上
 
愛知淑徳大学 ビジネス学部・ビジネス研究科
教授 真田 幸光


真田先生のプロフィール
真田 幸光氏(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部教授。
1957(昭和32)年生まれ。81年慶大法卒、東京銀行(現・東京三菱UFJ銀行)入行。韓国延世大学留学、ソウル支店、資本市場第 一部、BOT International(H.K.)Ltd.出向などを経て、97年独系ドレスナー銀行東京支店・企業融資部長。98年愛知淑徳大学ビジ ネス・コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同 教授、2004年4月より現職。
著書は『日本の国際化と韓国』、『アジアの国、日本』など多 数。 NHKクローズ・アップ現代などテレビ、ラジオ出演をはじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開中。
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